医薬品の技術移転のポイント【第28回】

2023/09/15 品質システム

技術移管後の品質保証について。

4)製販が委託先に期待すること

・委託先の選択時に確認する項目の優先度(品質の優劣で選択されることはなかった)
  第一  その製品の技術や開発を行っている(技術)
  第二  生産設備と技術を持っている(生産設備)
  第三  コストが安い(利益)
  第四  安定供給できる(経営の安定)
  第五  品質は問題ない(問題があれば改善する)

 しかし、大きな問題を引き起こすのは品質です。ところがよほどのことがない限り、品質は委託先の選定理由にはなりません。
 研開は設計通り生産できるかを見ています。
 生産は決められたコスト以下で安定共有できるかを見ています。 
 品質はQAが責任をもって確認/保証することが必須です。

 また、委託先の会社の自社品で承認書齟齬、SOP違反などがありました。

・ 製販は自社品以外見ることはできない。
・ 委託先の品質保証の確認の限界がある。

業務停止処分を受けたこと、その前に不備の調査/対応で生産に遅滞をきたし、製販の欠品につながったケースがありました。これを防ぐためには下記も今後必要になるのではないでしょうか?

① 自社品や他の受託品で承認書齟齬やGMP不正はありませんね?との文書での確認
② 自社品や他の受託品で問題が起き、製販に損害が発生(欠品も含め)した場合のことについても売買契約書に盛り込む(相手側の抵抗が強いかと思いますが)

 

 

 

2ページ中 1ページ目

執筆者について

脇坂 盛雄

経歴 1979年エーザイ株式会社入社、9年間、品質管理と21年間、品質保証を担う。
専門領域はGQP品質保証、注射剤及び固形剤の異物対応、品質リスクの発見と低減対応 ・医薬品/食品の表示校閲、製品回収リスク回避対策 ・逸脱/苦情対応、変更管理(一変/軽微変更)対応。品質保証責任者(品責)、統括部長および理事を歴任し、2013年9月末に退職。
現在は企業のコンサル・顧問を行う傍ら講演会講師、書籍執筆などを精力的に行っている。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

27件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年5月30日(金)10:00-16:30

バイオ医薬品の開発とCMC戦略

2025年6月16日(月)10:30-16:30~2025年6月17日(火)10:30-16:30

門外漢のためのGMP超入門

2025年9月10日 (水) ~ 9月12日 (金)

GMP Auditor育成プログラム第20期

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます