【第1回】研究開発人材活用における新しいトレンド

2023/08/04 その他

研究開発人材のキャリアについて3回にわけて説明いたします。

シェアリングサービス概要と事例紹介

研究開発人材の採用は、多くの企業・組織にとって重要な課題となっています。優秀な研究開発人材を採用することは、組織の競争力やイノベーション力を向上させるために欠かせない要素です。しかし、近年は採用においてもグローバル競争にさらされ、若年人口減少・理系離れも重なり、研究開発人材の採用はますます困難を極めています。

ここでは3つの事例をお示ししますが、大手、中堅、ベンチャーと幅広い企業となり、課題も様々です。共通して言えることは「喫緊の課題において、それを解決する人材が社内にはいない」ことが挙げられます。その場合従来ですと中途採用が一つの解決手法でしたが、冒頭述べた通り採用困難な状況があり、今後もそれは続くと考えられています。ビジネスのスピードを緩めるわけにはいきませんので、「高いスキルをもつエキスパート人材を必要な時だけ活用できる」シェアリングサービスが伸長していることが理解頂けるのではないでしょうか。

採用が困難を極める中、昨今期待が高いシェアリングサービスの概要と実際の活用事例、また今後の研究開発人材のキャリアについて3回にわけて説明いたします。
第1回 シェアリングサービス概要と事例紹介
第2回 シェアリングサービス事例からの今後の発展性と課題
第3回 研究開発人材の新しいキャリア開発

今回は第1回目としてシェアリングサービスの概要と事例紹介となります。
シェアリングサービスはまだ聞きなれない単語かもしれませんが、マーケティング職やエンジニア職では一般的になっており、近年の副業解禁企業増加により、急成長しているサービスです。1人の経験スキルを複数社で分け合うということになり、専門的な知見をもっているエキスパート人材に業務委託で参画してもらうことにより、より早く、必要な期間だけ活用できるサービスになります。研究開発人材でのシェアリングサービスはまだ一般的ではないため、活用事例を3つ紹介いたします。

(1)大手化学メーカーでの新規事業案件
■企業 
大手上場化学メーカー
■課題 
新たに食品事業に進出。自社開発菌の事業化の可能性を探りたい。
■活用エキスパート略歴
60代。健康機能性研究に20年位以上取り組み、基礎研究から商品開発、成果の権利化・実用化、学術マーケティングなど幅広い経験をもつ人材。
■支援内容
約6ヶ月間の活用。過去の他社事例探索、論文探索を実施後に、事業化に向けたロードマップ作成や自社開発菌の事業化の実現に向けたディスカッションを実施。
■結果
研究の進め方や、次のステージに進む為にクリアすべき条件が明確になる。

こちらの案件では自社開発菌の可能性を探る必要があり、そのためのエキスパート活用となりました。これまでですと3年かけて検討していたことが6ヶ月という短期間で方向性がみえ、費用と時間としても削減につながりました。

 

 

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執筆者について

大島 康治

経歴

株式会社RDサポート 代表取締役COO
大学卒業後、日清製粉株式会社に入社し法人営業を担当。
その後株式会社リクルートエージェントへ転職し、求人企業開拓及び転職希望者のサポートを経験。
2012年にヘルスケア・ライフサイエンス専門の人材会社である株式会社RDサポートへ入社。
立教大学文学部心理学科卒業
金沢工業大学イノベーションマネジメント研究科修了(MBA)

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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