【第2回】研究開発人材活用における新しいトレンド
研究開発人材活用における新しいトレンド シェアリングサービス事例からの今後の発展性と課題
前回のコラムでは、研究開発人材活用における新しいトレンドであるシェアリングサービス「RD LINK」の概要と事例についてご紹介いたしました。今回は、「シェアリングサービス事例からの今後の発展性と課題」について考察していきます。
前回ご紹介した、新規事業開発・新商品開発・研究支援のシェアリングサービス活用事例を踏まえ、今後の発展性を予測すると同時に、その中に潜む課題にも焦点を当てていきます。
『シェアリングサービスの発展性』
(1)専門分野の拡大
テクノロジーの進化に伴い、新たな専門分野でのシェアリングサービスの活用が拡大すると見込まれます。例えば、バイオテクノロジーやAIの進歩によって、これまで考えられなかった領域でのプロジェクトが可能となり、AIを活用した研究開発や生産プロセスの最適化など、未知の分野でのシェアリングが進むことが予測されます。
(2)活用頻度の増加と継続的な活用
これまでは月2~4回程度の活用が多く、また期間も3~6ヶ月程度の限定した活用となっていました。しかし、直近では常時戦力としてシェアリングサービス活用を検討している企業が増えております。月10~15回の活用で、6~12ヶ月の長期契約も発生しており、企業の人材活用の考え方が大きく変化していることを実感しています。
(3)社員教育の一環としての活用
シェアリングサービスは、短期的なプロジェクトだけでなく、エキスパート人材の知識や経験を社内の従業員に伝える教育・育成の一環としても利用される可能性があります。これにより、従業員のスキルアップやキャリア開発が促進されると考えられます。
(4)エキスパート人材と企業とのマッチング精度向上
シェアリングサービスが拡大し活用事例が増え、且つAIや機械学習の発展によりマッチング精度が高まることが想定されます。非常にニッチな課題に対しても対応できるエキスパート人材を探すことが可能となり、企業の課題解決スピードが更に上がるのではないでしょうか。またエキスパート人材側も長年積み上げたキャリアや技術の中で、ピンポイントなものが活かせるようになり、社会貢献の可能性が拡がると考えられます。
(5)企業間の連携増加
エキスパート人材を活用することにより、企業間連携の場としても利用される可能性があります。現在もエキスパート人材の人脈から企業間連携が生まれることがありますが、モノの売買や技術供与などに留まらず、業務提携や合併などの大型な連携に繋がることも十分にありえます。
以上のような発展が考えられますが、何れにしてもこれまでにないイノベーションが起こることが容易に想像できます。
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