偽薬事件から、APIの品質保証を考える(2)

 まず最初に、2008年に起きた、ヘパリン事件の概要を述べたいと思います。
 
 2008年初頭、米国食品医薬品局(FDA)は、透析患者で重篤な急性過敏症状が発生し、一部の患者は死亡しているという報告を受けました。透析患者は、血液凝固抑制剤として使用されているヘパリンを注射されていました。いずれもバクスター社が製造したものでした。ヘパリンは、豚の小腸から、粘膜成分として抽出され、精製して製品となります。バクスター社のヘパリン原薬は、米国のScientific Protein Laboratories (SPL)社が中国で設立した合弁会社Changzhou (常州)SPL社で生産されていました。FDAは、SPL社のヘパリン原料、ヘパリン製品の調査を行い、2008年4月中国で製造されたヘパリン中にOSCS (Over Sulfated Chondroitin Sulfate) が混入されていることを突き止めました(文献1)。ヘパリンに偽薬が混入したために、薬害事件が起きたのです。
 
 さてここで、ヘパリンを投与された患者の死亡数の統計を見てみます。これはFDAによって発表されている数字です。ただし、バクスター社のヘパリンが投与された患者の内の死亡者数ではないことにご注意下さい。他の会社のヘパリンが投与された場合も含んでいます(文献2)。
これを見ると、2007年11月から2008年3月まで、明らかに死者およびアレルギーショック症状を起こした患者の数が急増している実態が読み取れます。この数字を見たFDAの担当者は、恐らく震えがとまらなかったことでしょう。

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