ゼロベースからの化粧品の品質管理【第19回】

水の管理について。
化粧品GMP手順書の作り方 ④原料・水の管理
化粧品製造において私の経験から留意すべき事項についてお話させて頂いています。前回までの第16回から第18回までは、④原料・材料の管理についてお話させて頂きましたが、水の管理については重要な要素ですので、今回、個別のテーマとして説明させて頂きます。
水は化粧品の中で最も広く使用されている物質で製品の品質に対する影響が大きい一方、他の原料のように使用する前に試験で合格であることを確認できないことから、管理体制、仕組みの確立が重要になります。そこで、管理体制の考え方を中心についてお話したいと思います。特に、水は装置、貯蔵タンク、移送配管、取口までと幅広い範囲の対応が必要であること、一度微生物汚染が発生した場合には厄介です。今回は、管理の留意点の全体像についてお話させて頂きます。
1.化粧品製造で使われる水の品質要件
●常水:医薬品製造の原料用水・洗浄用水、調剤用水などに用いる
検査項目 | 判定基準 |
---|---|
水道法第4条に基づく水質基準 | 平成15年厚生労働省令第101号に適合 |
アンモニウム※ | 比較液の呈する色よりも濃くない |
※井水、工業用水等から各施設において正常する場合は、アンモニウムも適合する必要があります。
●精製水:薬品の溶剤とし、製剤・試液・試薬の調整に用いる水
種類 | 検査項目 | 判定基準 |
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精製水 | 有機体炭素 | 0.50mg/L 以下 |
導電率(25℃) | 2.1μS/cm 以下 | |
精製水(容器入り) | 過マンガン酸カリウム還元性物質 | 液の赤色は消えない |
導電率(25℃) | ・内容量10mL未満 25μS/cm 以下 ・内容量10mL以上 5μS/cm |
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微生物限度 | 本品1mL 当たり、総好気性微生物数の許容基準は100CFU である |
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