GCP入門【第7回】

2020/07/03 臨床(GCP)

GCP省令の構成
 いよいよGCP省令の条文の説明へと進んでいこう。条文のオフィシャルな解説については当局の説明なり成書を参考にしていただくとして、それらにはおそらく説明されていないであろう長年携わっている実務担当者の経験談、要するに雑談も含めて、いろいろな話に展開していこうと思う。まずは、各条文の説明に入る前にGCP省令全体を俯瞰して見てみよう。
 


図1 GCP省令の構成


 GCP省令は第一章から第六章、条文で言うと第1条から第59条までで構成されている(図1)。第二章の標題は「治験の準備に関する基準」であるが、平成15年6月12日のGCP省令改正以前には「治験の依頼に関する基準」であった。それまでの治験は主に製薬企業が主導していたものが、(当時の)薬事法が改正されて医師が主導する治験が可能となったのである。これをそれぞれ「企業主導治験」と「医師主導治験」と呼んでいる。薬事法改正によりGCP省令に医師主導治験が盛り込まれたことによって、第二章と第三章に医師主導治験の条文である第二節がそれぞれに追記された。これが第二章の標題が変わった理由だ。つまり、従来は製薬企業が医療機関や医師に治験を依頼するときの条文だから「治験の依頼に関する基準」と言っていたのだが、医師主導治験の場合は医師が自分で自分に依頼するというのは変。だから企業主導治験と医師主導治験をあわせて「治験の準備に関する基準」ということになった。
 


医薬品医療機器等法とGCP省令

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執筆者について

大場 誠一

経歴

株式会社エスアールディ 信頼性保証室 参与
旧GCP施行当時から国内の製薬企業で試験監査室長としてGCPとGLPの監査を担当。その後の欧州系製薬企業では信頼性保証室長としてGCPとGLPの監査の他、GMPとGPMSPの監査に携わる。そして後の米系CRO(開発業務受託機関)ではQA DirectorとしてGCP監査の責任者。現在は国内CROでGCPと臨床研究の監査、さらにGCP教育やSOPライティングの受託業務を専門としている。またGCPに関連した執筆や多くのセミナーでの講演活動、さらにDVDやe-ラーニングを用いたGCP教育に携わるなど、30年以上にわたってGCPに深く関わり続けている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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