GCP入門【第4回】

2020/04/03 臨床(GCP)

日本のGCPの歴史
 前々回は旧GCPを紹介し、そして前回はニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言に繋がるICH-GCP、これを日本の規制に取り入れたGCP省令と運用通知について説明した。今回からはGCP省令が施行された後に毎年のように行われているGCP省令の一部改正について触れていこう。
 GCP省令は平成9年(1997年)に公布され、その後はほぼ毎年のように改正されている。いずれも一部改正であり、その内容がGCP自体に大きく影響するものと、ほとんど影響しないものとがある。一連の我が国のGCPの変遷を図1に示したが、この図の上半分を前回までに紹介したので、下半分のGCP省令と運用通知の改正の履歴を今回から2度ほどにわたって紹介しよう。


GCP省令の改正履歴
1)    平成12年10月20日、厚生省令第127号
 内閣法の一部改正に基づくGCP省令の一部改正である。すなわち、厚生省と労働省が統合して厚生労働省になったことによる改正であって、GCPそのものに影響する改正ではない。

2)    平成13年3月26日、厚生労働省令第36号
 「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」(平成12年、法律第126号)及びこれに関連する法令が施行されることに伴うGCP省令の一部改正である。この法律を一般的に「IT書面一括法」と呼んでいる。契約や通知などのように書面でやり取りしていたものを、電磁的に行っても良いというものであり、GCPには若干の影響がある改正であった。

3)    平成14年2月22日、厚生労働省令第14号
 保健婦助産婦看護婦法の一部改正に伴う改正であって、治験協力者や実施医療機関職員の一例として「看護婦」と記載されていたものが、「看護師」に置き換わったというだけの一部改正。

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執筆者について

大場 誠一

経歴

株式会社エスアールディ 信頼性保証室 参与
旧GCP施行当時から国内の製薬企業で試験監査室長としてGCPとGLPの監査を担当。その後の欧州系製薬企業では信頼性保証室長としてGCPとGLPの監査の他、GMPとGPMSPの監査に携わる。そして後の米系CRO(開発業務受託機関)ではQA DirectorとしてGCP監査の責任者。現在は国内CROでGCPと臨床研究の監査、さらにGCP教育やSOPライティングの受託業務を専門としている。またGCPに関連した執筆や多くのセミナーでの講演活動、さらにDVDやe-ラーニングを用いたGCP教育に携わるなど、30年以上にわたってGCPに深く関わり続けている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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