ASEAN薬事規制とASEAN CTD(ACTD)作成のポイント【第5回】

2015/03/16 製造(GMDP)


 

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1.構成
 ASEAN CTDガイドラインの中でPART Ⅰだけは「ガイドライン」と言う類いの文書が発行されていない。これはPART Ⅰが各国行政府から要求された資料、フォーマットで構成されており、各国の独自色が強いため指針としてまとめられなかったことが一因であると考えている。
 ACTDのPART ⅠはICHのCTDのモジュール1に相当する。しかしICHでモジュール1はCTDの一部として考えられていないが、ACTDにおいてPART ⅠはCTDの一部と考えられている。

 

 PART Ⅰでは、はじめにACTDのPART Ⅰ~Ⅳ全体の目次があり、資料の全体像が把握できるように構成されている。次に、各国行政府の公文書等の特別な文書がまとめられる。この部分は、当該国や日本で発行された公文書、申請のための各国行政府で定められたフォーマットの書類、例えば薬事申請書などが添付される。また、ラベルやパッケージ、添付文書、包装容器などもPART Ⅰにまとめられる。さらに、製品の概要、効能効果や副作用、用法用量などの資料が含まれる。
 

 しかし、PART Ⅰは各国行政府によって提出すべき書類や資料が異なり、独自のフォーマットも存在する。従って作成前に当局に提出すべき資料や書式等について相談することが望ましい。またシンガポールのように事前相談が必須の国もあり、事前相談の結果によって資料の内容、審査期間が大きく異なるので注意する必要がある。
 

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執筆者について

小出 倫正

経歴 東京理科大学 薬学部卒
薬剤師
Vファームコンサルティング株式会社 代表取締役。
大学卒業後ライオン株式会社にて約25年間、医薬品を中心とした製剤開発研究に従事。その間、米国に留学して学位を取得した。
その後、同社、薬事品質保証部長、学術部長を経て退職後、国内外のコンサルタント会社や大学等と連携し、ASEAN地域の中でも特にベトナムを中心とした薬事申請書の作成・アドバイス等を行うコンサルタント業を開始し、現在に至る。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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