GMP文書管理 ~Data Integrityを踏まえた文書・記録の作成と管理~【第6回】

2019/01/11 品質システム

"

1.紙ベースのデータインテグリティ
 データインテグリティは、CSVガイドラインに基づく電磁的記録に限ったものではない。紙ベース記録においても同様な管理が必要である。第5回(Data Integrityとは)で示した通り、ある文書をコピーした時、そのコピーは原本通りであるか、天秤のプリンタ用紙で感熱紙のものが長期保管で変色して、見読できなくなるようなことはないかを規定しておくべきものである。
 PIC/Sのデータインテグリティガイドライン(ドラフト)には、第8章に紙ベースシステムにおけるデータインテグリティ留意点が規定されている。データインテグリティの概念は、新しいものではなく、悪意の有無に関わらず、記録の改ざんを疑われないために、従来から紙ベース記録で実施しなければならない事項も多い。 
 

第8章 紙ベースシステムにおけるデータインテグリティ留意点
 目次
  8.1        品質マネジメントシステム(QMS)の構成とブランク書式の管理
  8.2        記録の管理がなぜ重要なのか?
  8.3        テンプレートの生成、配布、管理
  8.4        記録の生成、配布、管理における期待
  8.5        製造エリアにおける記録の使用と管理
  8.6        記録の記入
  8.7        記録の訂正
  8.8        記録の検証(2次チェック)
  8.9        記録の維持管理
  8.10       電子システムからの直接プリントアウト
  8.11       真性コピー
  8.12       サマリレポートをリモートレビューする限界
  8.13       文書の保管
  8.14       オリジナル記録の廃棄
"

4ページ中 1ページ目

執筆者について

新井 一彦

経歴 C&J 代表
化学系企業にてバイオテクノロジーを利用した医薬品の探索、開発研究に従事。その後、開発医薬品(無菌製剤)の製造工場立上げに製造管理者として関わりGMP組織体制、基本構想を構築した。
平成17年の改正薬事法完全施行に合わせ、新たに製造販売業を取得するため某ジェネリックメーカーの設立に関与。取締役信頼性保証本部長として総括製造販売責任者の責務を担った。
現在、C&J 代表として、講演、執筆、国内外のGMPコンサル業務活動を推進。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

5件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年5月30日(金)10:00-16:30

バイオ医薬品の開発とCMC戦略

2025年6月16日(月)10:30-16:30~2025年6月17日(火)10:30-16:30

門外漢のためのGMP超入門

2025年9月10日 (水) ~ 9月12日 (金)

GMP Auditor育成プログラム第20期

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます