再生医療等製品の品質保証についての雑感【第66回】

第66回:再生医療等製品の製品開発と製造工程開発とQbD (5) 
~ 製造工程開発をはじめる(3) ~


はじめに
 前回、下図を示すことで、再生医療等製品(細胞加工製品)の製造工程開発について、設計-1から設計-4までの開発手順の考え方を示しました。細胞加工製品の製品開発では、治験後に新たに実製造スケールの工程設計(設計-4/モックアップ)を行うことは困難であり、設計-3(治験終了時)までに治験製品と同等性/同質性を有する実製造スケールでの製造が可能な工程設計を達成する必要があると考えます。そのためには、設計-1から設計-3までのそれぞれにおいて、どのようなことを行うべきなのか、今回よりざっくりと説明していきます。


図.  再生医療等製品のQbDアプローチと製造工程開発の手順に関する考え方 【再掲】

● そもそもこの図においてどこがポイントとなるのか?
 上図について、筆者は多くの方々と議論し、3年以上の期間をかけて熟成させてきたので、念入りにポリッシュアップしたつもり(笑)で、すっきりとした図に見えていますが、実際のところ、見慣れない方々には非常にビジーでわかりにくい図と感じられるでしょう。ですので、先ずは、本図のどこがポイントとなるのかを改めて説明したいと思います。特に大きなポイントは2つと考えます。
 先ず、本図では、開発する製品が、確定したCQAが単独で有効性(QTPPとの相関)を確保できないことを前提としています。すなわち、CQAは。製品設計時の試作や治験製品の製造で用いた原料細胞、培地等の補助試薬および製造手順など、製造プロセス(物質特性MAおよび工程パラメータPP)が組み合わされた状態で初めて「確定したCQA」との認識となります。

 

 

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