基礎からのGPSP【第16回】
~製造販売後臨床試験の実施②~
3. 実施管理
試験の実施方法により、その管理方法は多岐にわたり様々な形態が考えられるが、基本は被験者の安全確保と、依頼施設での適正な試験の実施が確認でき、それらの状況から必要に応じ管理部門に速やかに報告されることにある。
製造販売後に臨床試験を実施することを決定した以降は、全業務の手順はGCP遵守により適正かつ円滑に実施されなければならない。したがって、その実施管理は「試験の準備に関する段階」、「試験の管理に関する段階」、及び実施医療機関側に関する部分として「試験を行う段階」という3つの段階を想定して管理していかなければならない。
3.1. 試験の準備に関する段階
製造販売後に臨床試験を実施することを決定した以降は、全業務の手順はGCP遵守により適正かつ円滑に実施されなければならない。したがって、その実施管理は「試験の準備に関する段階」、「試験の管理に関する段階」、及び実施医療機関側に関する部分として「試験を行う段階」という3つの段階を想定して管理していかなければならない。
3.1. 試験の準備に関する段階
(1) 手順書の作成(通常、作成済)
試験の依頼(又は準備)及び管理に係る業務が恒常的に適正に実施されるよう標準的な手順を定めた文書(手順書)を作成
※試験実施計画書の作成、実施医療機関及び試験責任医師の選定(試験を依頼しようとする者)、
必要に応じ試験薬の管理、副作用情報等の収集、記録の保存、その他
※試験実施計画書の作成、実施医療機関及び試験責任医師の選定(試験を依頼しようとする者)、
必要に応じ試験薬の管理、副作用情報等の収集、記録の保存、その他
(2) 試験に関わる資料作成
※試験実施計画書、試験薬の品質、有効性及び安全性に関する情報に基づいた文書
(添付文書やインタビューフォーム、必要に応じて試験薬概要書)を作成
(添付文書やインタビューフォーム、必要に応じて試験薬概要書)を作成
(3) 当該受託者との契約
(4) 実施医療機関との間に試験実施の契約締結
(5) 必要に応じ、健康被害補償のための保険締結、その他の必要な措置
3.2. 試験の準備に関する段階
(1) 情報の提供
副作用情報等、試験を適正に行うために必要な情報を収集・検討し、実施医療機関に対しこれを提供
(2) モニタリングの実施
手順書を作成し、これに従ってモニタリングを実施
1) 実施医療機関を訪問し、原資料を直接閲覧
2) 試験が適正に実施されていること、及びデータの信頼性が十分に保たれていることを確認
3) モニタリング報告書を試験依頼者、実施医療機関の長に提出
1) 実施医療機関を訪問し、原資料を直接閲覧
2) 試験が適正に実施されていること、及びデータの信頼性が十分に保たれていることを確認
3) モニタリング報告書を試験依頼者、実施医療機関の長に提出
(3) 監査の実施
(4) 総括報告書の作成
(5) 資料保存
治験と製造販売後臨床試験では資料の保存期間が違うので留意すること。実施医療機関の資料は再審査結果公示後5年間(生物・特定生物を除く)となっているので、明確に契約書等で規定しておく必要がある。
3.3. 試験を行う段階
試験の依頼を受けた医療機関は試験を倫理的及び科学的に適正に実施するために予め規定を設けている。試験の依頼時にこれらの規定が妥当か、また、試験実施時に遵守状況について確認する必要がある。
(1) 臨床試験(治験)審査委員会に関する規定
1) 審査委員会の設置
2) 試験の倫理的及び科学的妥当性等の審査
2) 試験の倫理的及び科学的妥当性等の審査
(2) 実施医療機関に関する規定
1) 試験実施に十分な設備及び人員とともに、緊急時の必要な措置が可能
2) 手順書、試験実施計画書等に従って適正かつ円滑に行われるよう必要な措置が可能
3) モニタリング及び監査並びに審査委員会による調査に協力
4) 試験管理事務局(責任者)等の設置(選任)
2) 手順書、試験実施計画書等に従って適正かつ円滑に行われるよう必要な措置が可能
3) モニタリング及び監査並びに審査委員会による調査に協力
4) 試験管理事務局(責任者)等の設置(選任)
(3) 試験責任医師に関する規定
1) 十分な臨床経験
2) 倫理的及び科学的観点からの被験者選定並びに被験者保護の事前措置
3) 症例報告書の作成
4) 重篤副作用発生時の実施医療機関の長、試験依頼者への緊急報告
2) 倫理的及び科学的観点からの被験者選定並びに被験者保護の事前措置
3) 症例報告書の作成
4) 重篤副作用発生時の実施医療機関の長、試験依頼者への緊急報告
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