【第15回】GCP-SOPライティング - GCPで必要なSOPと作成技法 -

2024/01/05 臨床(GCP)

今回は、SOPの記載項目について紹介する。

 SOPは手順書なのでもちろん「手順」を記載する文書なのだが、それ以外に何を記載するのだろうか。SOPに記載する項目について2回にわたって紹介しよう。

図1 SOPの記載項目の例

名称(表題)、SOP番号
 SOPに表紙を付けても付けなくてもどちらでもよい。SOPに表紙を付けることをGCPでは求めていない。国内企業の治験依頼者や実施医療機関ではSOPのタイトルと作成日(承認日)だけを記載したページを最初に付けることが比較的多いようだ。一方で外資系の治験依頼者ではタイトルと作成日をヘッダーに記載して、1ページ目から目的と適用範囲などのSOPとしての記述が始まることもある。
 ISO9001では、文書に適切な識別及び記述(例えば、タイトル、日付、作成者、参照番号)を確実なものとすることを求めている。したがって、SOPを識別するために名称(表題、SOPタイトル)が必要であり、これは内容を簡潔に表現する言葉とする。「モニタリングに関する手順書」や「モニタリング手順書」のように全てのSOPに共通する「に関する手順書」や「手順書」という言葉を用いず単に「モニタリング」だけでもよいだろう。
 SOP番号(文書番号)はSOPを特定するための識別番号である。名称でSOPを特定することができるので識別番号を付与する必要はないのかもしれないが、一覧表(SOPリスト)を作成する際にSOP番号順に並べるとリスト化しやすい。治験依頼者によっては社内の文書管理規定などで付番方法が決められていることもあり、その場合はそれに従うことになる。
 社内で特段の決まりごとはないのであれば、SOPを新規に作成した順で1又は01若しくは001から番号を付与することでもよいが、SOPが多い場合はカテゴリーごとに分類するとさらに分かりやすくなる。例えばメディカルライティングに属するSOPであれば「MW-001:治験実施計画書の作成」、続いて「MW-002:同意説明文書案の社内案の作成」などのように、カテゴリーを表す記号と数字で付番してもよい。

発効日
 SOPを作成し使用するようになるタイミングを示す表現として、制定日、施行日、発行日、承認日などをSOPに記載することがあり、その表現は治験依頼者によって様々である。PMDAの「GCP実地調査・適合性書面調査チェックリスト」を見ると、SOPに関するチェック項目として、SOPの「名称」とともに「当該治験期間に該当する手順書の発効日」と書いてある。このことから考えると、施行日や発行日などをSOPに記載するよりは「発効日」と記載したほうが明確になるだろう。
 SOPにヘッダーとフッターを付ける治験依頼者は多い。この場合、ヘッダーにはSOP番号と名称、版数と発効日を枠の中に表示し、併せて企業ロゴを付けることもある。ページ数(ページ番号/総ページ数)はヘッダーの枠の中、あるいはフッターに記載する。この他、「社外秘」などの文言をフッターに記載することも多いようだ。

目的、趣旨
 「目的」は、SOPを作成する目的を簡潔に表現したものであり、3-5行程度で記載することが多い。「目的」の文末は一般的に「・・・を目的とする」という記載とする。例えば「GCP省令第21条に基づきモニタリングに関する手順を定める」というように、GCP省令の条文に関連付けた記載をすることもある。
 一方で「趣旨」は、手順書の内容を3-5行程度で要約したもので、制定の目的よりも、その手順書に記載した内容に重点をおく。趣旨の文末は一般的に「・・・するものとする」という記載が多い。
 目的と趣旨のどちらを書いても良いが、目的を書く治験依頼者の方が多いようだ。

用語の定義
 全てのSOPに出てくる用語を一括して定義する場合は、SOPの全体を表す「総則」のようなSOPで規定するか、あるいは「用語の定義」だけをまとめて記載した文書を規定する。特定のSOPのみに出てくる用語を定義する場合は、個別の手順書の文頭で規定することでもよいであろう。記載するにあたって、定義する用語が多い場合は表形式で記載するほうが見やすい。
 GCP省令やガイダンス等で定義されている用語は、その旨を記載することのみでよく、SOPに改めて記載する必要はないが、別の意味を持たせて使用する場合は改めて定義付けが必要になる。

 

 

 

 

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執筆者について

大場 誠一

経歴

株式会社エスアールディ 信頼性保証室 参与
旧GCP施行当時から国内の製薬企業で試験監査室長としてGCPとGLPの監査を担当。その後の欧州系製薬企業では信頼性保証室長としてGCPとGLPの監査の他、GMPとGPMSPの監査に携わる。そして後の米系CRO(開発業務受託機関)ではQA DirectorとしてGCP監査の責任者。現在は国内CROでGCPと臨床研究の監査、さらにGCP教育やSOPライティングの受託業務を専門としている。またGCPに関連した執筆や多くのセミナーでの講演活動、さらにDVDやe-ラーニングを用いたGCP教育に携わるなど、30年以上にわたってGCPに深く関わり続けている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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