生物製剤廃液連続加熱失活化装置

2012/05/21 製剤


記事投稿:
株式会社エアレックス

1.ウイルス不活化方法について
 
 ウイルス不活化の研究は、パンデミックを懸念する上の課題として近年多くなされていているが、プリオン、HPV、ノロウイルスを除く病原体は市販の消毒剤で十分効果があると言われています。1) つまりこれらの病原体はエタノールやIPA、グルタルアルデヒド他の消毒剤の混合液で不活化が可能とされ、なおその試験、研究がなされています。加えて、蒸気滅菌、紫外線、パルス光、ガスプラズマなどの手法も検討と研究がなされていますが、これらの技術は公衆衛生、医学領域での感染や汚染防止を目指したもので、一般的なワクチンのような生物製剤工程での大量に発生するBSL廃液をどのように処理すれば良いかの設備構築は、日本国内においては随分と遅れている感があります。
 
 現状での日本国内における生物製剤工程での一般的なウイルス不活化、除去の方法としては
 
 (1)バッチ式で加熱し不活化する方式(例えば液状60℃、10時間缶熱や、65℃、96時間乾燥加熱処理)
 (2)有機溶媒、界面活性剤で処理する方式(ウイルスのエンベロープ(膜脂質)を有機溶媒、界面活性剤で破壊し不活化)
 (3)酸性処理(次亜塩素酸ナトリウム溶液、過酢酸溶液などで不活化)
 (4)ウイルス膜除去方式(多層構造のセルロース膜を用いてろ過除去する方式)
 
 などが代表例として挙げられます。
 
 しかし何れの方式も、その手法の割に処理量が比較的多いこと、対象とするウイルスが多品種、またにエンベロープの有無なども検討に加えると、不活化のバリデーションの論理構築に無理や困難が垣間見えて、結果2つ以上の原理の異なる不活化、除去方式の導入による安全性の担保が必要となりそうです。

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