医薬品委受託製造に関する四方山話【第2回】
2.医薬品製造におけるアウトソーシング比率
図3に産業別アウトソーシングの比率を示します。前回は、医薬品の製造について、すべて自前でやるのは大変難しく、アウトソーシングを上手に活用することのメリットは大きいと述べたところでした。しかし、実際のデータはどうでしょうか。ブランド品で20%、ジェネリック品で40%程度と、ほとんどがアウトソースされるおもちゃ、スポーツ用品、電子機器など他産業と比較して、医薬品のアウトソーシング比率は、まだまだ極めて低いことが歴然としています。かくいう私も、入社以来、委託側の立場であった7年前までは、自社が開発した医薬品は自前で製造することが基本で、設備や人、時間といったリソースがどうしても不足する場合の次善の手段として活用すべきものとの考えを持っていました。私だけではなく、また日本だけではなく、世界中の多くの製薬会社が、長きに渡ってそのような考えを基本姿勢としていたことが、図3の結果となっていると考えるべきでしょう。
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