医薬品委受託製造に関する四方山話【第2回】

2013/05/13 製剤

2.医薬品製造におけるアウトソーシング比率
 図3に産業別アウトソーシングの比率を示します。前回は、医薬品の製造について、すべて自前でやるのは大変難しく、アウトソーシングを上手に活用することのメリットは大きいと述べたところでした。しかし、実際のデータはどうでしょうか。ブランド品で20%、ジェネリック品で40%程度と、ほとんどがアウトソースされるおもちゃ、スポーツ用品、電子機器など他産業と比較して、医薬品のアウトソーシング比率は、まだまだ極めて低いことが歴然としています。かくいう私も、入社以来、委託側の立場であった7年前までは、自社が開発した医薬品は自前で製造することが基本で、設備や人、時間といったリソースがどうしても不足する場合の次善の手段として活用すべきものとの考えを持っていました。私だけではなく、また日本だけではなく、世界中の多くの製薬会社が、長きに渡ってそのような考えを基本姿勢としていたことが、図3の結果となっていると考えるべきでしょう。

図3 産業別 アウトソーシング 比率

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執筆者について

笠井 隆行

経歴

個人コンサルタント
1985年に塩野義製薬(株)入社 医薬品物性研究、分析法設定、国内外申請資料(CMCパート)作成、原薬製造プロセス研究に従事、
1997年から2年間の米国Schering-Plough社でのGlobal GMP, CMC開発の海外研修後、CMC Office長、治験薬製造室長を兼務
2006年に武州製薬(株)代表取締役社長就任、2012年に日本CMO協会会長(4年間)
2016年に富士製薬工業(株)副社長 生産統括本部長、富山工場長を歴任、
2017年からタイOLIC社 Managing Directorを兼務
2022年にシオノギファーマ(株) 信頼性保証本部長、第一生産本部長を歴任
2024年3月:シオノギファーマ(株)退職

出身地 大阪

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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