医薬品の外観目視検査における要求品質の明確化のために【第13回】

注射剤ではガラス片の混入事例が多く見つかる。では、破瓶は、どこで発生しているのか。
注射剤の製造工程および資材から想定される異物
1. 注射剤の製造工程から想定される異物
PMDAのホームページに掲載されている自主回収の内容を確認すると、注射剤ではガラス片の混入事例が多く見つかる。では、破瓶は、どこで発生しているのか。以下のような工程が想定される。すなわち、「ガラスは割れる」ということを前提に処理手順を定めておくことが必要である。
・自社での洗浄・滅菌工程
・自社での充てん・密封工程
・自社での搬送工程・包装工程
破瓶処理は、あらかじめ制定する「破瓶時の処理手順」に従うこと。
また、すべての作業内容は、記録を残すこと。
破瓶時の処理手順書には、以下の事項を定めておかなければならない。
特に、飛散範囲の特定や排除範囲の決定は重要であり、これを誤るとガラス片の混入リスクが高まることは容易に推測できる。
・破瓶を確認したら、直ちに危機を停止(責任者、次工程以降に破瓶発生を連絡)。
・破瓶、飛散範囲の確認(洗浄漕内を含む)。
・破瓶・破片の除去(Grd.A内への介入時は、臨時の環境モニタリング実施)。
・他の資材の除去範囲は、最大飛散範囲とする。
・清浄度区分に応じた清浄化作業を実施。
・清浄度区分に応じた清浄化時間を確保し、責任者の確認・承認後に製造再開する。
・逸脱処理を行い、措置の妥当性、環境モニタリング、外観検査の結果等の評価を踏まえ、出荷判定する。
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