医療機器の生物学的安全性 よもやま話【第20回】

刺激性試験の実施方法と評価について解説する。
刺激性試験の実施と評価
医療機器が接触する部位に応じた刺激性試験法を選んだ後、実際に試験を計画します。
その前に、医療機器そのものを暴露させるか、抽出液を暴露させるかを決めます。
皮内反応試験のように注射で投与するような試験については、現物を注射できることはほとんどないので、抽出液の投与となります。また、眼刺激性試験も点眼による暴露となりますので、こちらも抽出液の暴露です。
皮膚刺激性については、皮膚に貼り付けることによる暴露になりますので、貼り付けることができる形態であれば直接貼付という方法がとれます。ガイダンスには、抽出液による方法が記載されていますので、プライオリティを抽出液による方法と考えておいた方がよいかと思いますが、例えば皮膚の上で材料どうしが反応するようなタイプの医療機器の場合は、直接貼付した方が実使用を模擬した試験設計と言えるでしょう。
口腔粘膜刺激性試験の場合は、ハムスターの頬袋を用いる場合が多いのですが、頬袋にペレット状の試料を一定時間入れて反応を見ますので、医療機器そのもので試験することが多いかと思います。
また、今回ガイダンスに掲載された、in vitro皮膚刺激性試験は、抽出液による方法が用いられます。
このように試験方法によっては、医療機器をそのまま暴露するという適用方法がありますが、基本としては抽出による方法です。抽出方法は、他の試験でも他用される、生理食塩液及び植物油を溶媒として、下表にお示しした割合と、温度/時間条件で加温抽出します。
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