製薬用水の実践知識【第6回】膜分離と除菌の話

2012/10/09 施設・設備・エンジニアリング

布目 温

はじめに
 膜分離は、膜を介し供給水側(1次側)と透過水側(2次側)を分離するメカニズムです。微生物を一定分布粒子と見なしますと、一定の穴径を持った膜上に微生物を捕捉することにより、膜透過水を除菌できます。
 ただし、微生物は捕捉された時点において殺滅はされてはおりません。この点が、膜ろ過除菌操作における最大の問題点であり、この捕捉した微生物・菌体をどう処分するかを考えておくことが、連続的な操作においては必要になってきます。

図1  膜ろ過の概念
 
 微生物・菌体をメンブランフィルタ上に捕捉できる穴径を有するろ過膜として、精密ろ過膜(MF膜)、分子量レベルによる微細な穴径を持つ限外ろ過膜 (UF膜)があります。
 また、UF膜より更に微細な穴径を持つ逆浸透膜 (RO膜)も微生物を排除できますが、ここではこの用途へ実際に利用されるMF膜とUF膜をとりあげます。
 図1に膜ろ過の概念を示します。

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執筆者について

布目 温

経歴 布目技術士事務所
技術士 衛生工学部門:水質管理
1972年栗田工業(株)入社、1992年野村マイクロ・サイエンス(株)入社。2011年布目技術士事務所(製薬用水コンサルタント)開設。製薬用水のスペシャリスト。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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