中国「医療機器製造品質管理規範」の改訂内容に関する分析とアドバイス

2015/07/21 医療機器

李 非

医療機器の安全性と有効性を保証するために、技術要件以外に、技術要件を実現する品質システムに対する要件も必要である。アメリカ、欧州などの先進国において医療機器の品質システムに対する要件はある。中国は2009年に「医療機器製造品質管理規範(試行)」を公布した。これは中国初の医療機器の品質システムに対する法規要件である。5年間試行した後、CFDAは2014年に正式に「医療機器製造品質管理規範」(「規範」と略す)を公布した。

これは中国医療機器産業の発展と監督監理システムの構築において重大な意味がある。「規範」の公布と実施は、医療機器監督監理法規システムを改善し、企業の品質管理システムの監督管理に根拠を提供した。且つ、「最終製品を監督管理する」から「プロセスを監督監理する」への移行に法規基礎を築いた。本文の目的は2014年版と2009年版の「規範」の相違点を比較し、変更点とその影響を分析し、医療機器産業に参考を提供する。
 
一、概要
新たに公布した「医療機器監督監理条例」と「医療機器監督管理方法」に基づき、国家食品医薬品監督管理局は「医療機器製造品質管理規範(試行)」に対する改訂を行った。改訂済みの「医療機器製造品質管理規範」は2014年12月29日に公布され、2015年3月1日より施行された。

改訂された「規範」は十三章八十四条から構成される。医療機器製造企業が「規範」に従い、健全的な品質管理システムを構築することが要求されている。且つ、組織、人員、建築と施設、設備、文書化システム、設計開発、調達、製造管理、品質管理、販売とアフターセールスサービス、不合格品管理、有害事象モニタリング、分析と改善などの内容も規定された。

「規範」は医療機器製造品質管理システムの基本準則で、医療機器の設計開発、製造及び販売とアフターセールサービスを通じ適用する。医療機器製造企業は、製品の特徴に合わせ、規範の要件に従い、品質管理システムを構築し、有効な運転を保証すべきである。
 
二、比較研究
研究対象は「医療機器製造品質監理規範」(2009年試行)と「医療機器製造品質監理規範」(2014年)で、比較分析法で全体的な構造と具体的な章節の内容を比較する。

(一)全体的な構造の比較
「医療機器製造品質監理規範」(2009年試行)は計十三章69条あり、「医療機器製造品質監理規範」(2014年)は計十三章84条ある。章の数は同じであるが、「医療機器製造品質監理規範」(2014年)の条文は15条増えた。全体的な構造の比較は表1を参考頂きたい。
 

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執筆者について

李 非

経歴 1999年、清華大学卒業後、ペンシルベニア大学生物医学大学院入学。2003年大学院卒業後、中国瀋陽Philips and Neusoft Medical Systems Co., Ltdに入社、医療機器開発に従事。2005年より遼寧省食品医薬品監督管理局技術審査評価センター医療機器部門長。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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