QCの役割を徹底理解【第7回】

 医薬品の製造にはGMP省令が求められています。また、医薬品は日局などの公定書に収載されるか、または製造販売承認書を取得しています。そのため、その両者の要求事項に合致しておく必要があります。
1)GMP省令の要求事項に合致
2)製造販売承認書に合致

 1)に合致しているかどうかは、PMDAや県によるGMP適合性調査で確認されます。合致していないと、改善指示があります。最近では合致していないため、その影響を受けたと思われる製品回収(PMDAや監麻課の意向であっても企業の自主回収との位置付け)が起きています。また新製品の承認が遅れたりしています。
 2)に合致しているかは当局の査察で発見される、企業が自主的に申し出る、新製品の調査で見つかるなどにより、製造販売承認書との齟齬として問題になっています。これも内容により、製品回収や改善命令が出されることがあります。製造販売承認書と実態が合致しているかは製造販売業者の責任になっていましたが、今検討されているGMP省令の改正案ではその責任を製造業者のGMPにも求めています。
 ここでレギュレーションについて考えてみます。
制定/改訂 国会  内閣  各省大臣       局/課長
憲法   法律  政令  省令 告示 通知  事務連絡  指摘事項
   薬機法  GMP/GQP省令  GMP施行通知 PMDA/県          
      薬事法施行令  日本薬局方(JP)   PIC/SGMP
           薬事法施行規則  原薬GMP  事例集  FDA
 ICHQ8,Q9,Q10、PIC/S GMPガイドライン、事例集は事務連絡で出されており、法的な拘束力はありません、品質に問題があるとそれに基づいた同等の対応が求められます。またPMDAや県の指摘事項に適切な対応ができていないと、新製品の承認が遅れたり、製品回収になっています。
 どこまでが法律かの議論は分かれますが、官報告示されているJPまでは法律と考えるのが一般的です。なぜなら、JPに誤記があった場合、官報告示での訂正が必要になります。一方、通知は局/課長が出しているだけですので、局/課が自由に取り扱うことができます。
極論を言えば、通知、事務連絡に従わなくても罰せられません。ただ、それに合致していないと、製造業の許可が下りない、また停止させられることなどが起きますので、結局それに従うことが必要になります。
 日本国憲法が一番上位に存在しています。そして国会で策定される法律があり、その一つに薬機法があります。この薬機法が医薬品にとっての一番上位に位置しています。薬機法の目的を見てみたいと思います。

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