バイオ医薬品とベンチャー【第12回(最終回)】

2015/03/23 製剤

数字遊び最後の項目、勝手理論(著者がかってに言っている理論)の二つ目です。
 

3・30・300の理論

 これは会社の規模の話です。
 はじめにこの理論に行きついたのがベンチャーの企業から成長の過程を検討していた時でした。
 会社を立ち上げて、売上を上げようと思ったとき、一円でも売ると言うことがまず思い当たると思いますが、それを超えて会社を軌道に乗せた時、意外と1億という数字はクリアできる場合が多いのではないでしょうか。
 もちろん、製造業・商社・ITサービスなどの業態により大きく異なりますが、1億円の売上、9千万円の経費、残り1千万円の利益と言うのは実現可能な数字です。しかし、3億円となるとなかなか難しいことに気づきます。そこに大きな壁があります。この壁を乗り越えるには、何かプラスの仕組みがないといけないのです。それを見つけた企業が3億円に達成できます。
 そして、3億円の売上まで届くと、比較的会社は安定して事業を継続できることになります。10年が会社のひとくくりであると、3億円を超えた会社は10年継続することが多いと思います。統計に関しては専門家に任せるとして、感覚としてはその様に感じませんか?
 

 次に目標とされるのは30億円で、業態にもよりますが、この間に社内規程や会社方針など様々なルールの策定が行われます。3億円では個人商店でも通用しますが、30億円ですと公的企業の意味合いが強くなると思います。その様に会社の仕組みが明確にならなければ30億円という壁は突破できないと思います。
 

 最後に300億円ですが、この規模になりますと安定上場の規模になります。もちろん上場が唯一の選択肢ではありませんが、その様な規模と言うことです。会社は、個人企業やルールと言っている場合ではなく、社会的企業となっています。CSRなどを充実させ社会的企業となることが必要です。

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執筆者について

渡部 博次

経歴 10年強、製薬会社にて細胞工学(バイオプロダクツ製造研究)を行った後、商社などを経てバイオベンチャー経営に携わる。基礎研究から臨床、ライセンス、財務、法務、営業にわたり企画開発を行うことによって、経営を再構築させることを得意とする。現在、大学にて「実社会に役にたつ経営学手法」をテーマに教鞭を行う。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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