バイオ医薬品とベンチャー 【第8回】

2014/06/16 製剤

株主はやはり重要
 株主の権限と会社に与える影響は大きくなっていると思います。最近もモノを言う株主の話題がニュースになることが多いです。
 保守的であり鎖国的な日本の会社も徐々ではありますがグローバル化の中で変化しつつあるのでしょう。
 
 残念ながら私はオーナー社長の経験がなく、出資者の多い会社での雇われでしたので、株主対策は夜中に悪夢を見るほど苦労しました。
 創業株主や銀行系投資担当者、社員株主などそれぞれの立場でいろいろなことおっしゃいます。それに応えるのが社長の仕事と判ってはいても、ストレスは溜まる一方です。
 
「会社はだれのため」議論を考えてみる
 「会社はだれのため」あるいは「会社はだれのもの」の議論は正答のない議論ですが、個人の考え方を検討する上で価値のある題材です。私も社内教育や経営学の授業の中でよく使います。
 
 出資者は、「法的に社員と呼べるのは株主であるから株主のための会社でなくては困る」と考えることが多いと思います。
 
 株式会社を組織として考えると、経営者・社員・株主・顧客が均衡な関係にあるのが、正しい姿といえるでしょう。もちろん、この関係は上場会社と非上場会社と違いますし、会社の形態や規模でも異なってきます。どこのポイントを重視するかは、結局、経営者の判断で決まるものだと思います。
 
 そういう意味では、傀儡社長の会社であっても、会社のコントロールの側面でみると、会社は社長のモノ(下?)であるでしょう。
 そこから導き出されるものとして、株主の調整もやはり社長の力量の見せどころでしょう。

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執筆者について

渡部 博次

経歴 10年強、製薬会社にて細胞工学(バイオプロダクツ製造研究)を行った後、商社などを経てバイオベンチャー経営に携わる。基礎研究から臨床、ライセンス、財務、法務、営業にわたり企画開発を行うことによって、経営を再構築させることを得意とする。現在、大学にて「実社会に役にたつ経営学手法」をテーマに教鞭を行う。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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