経皮吸収製剤 ~基礎から応用まで~【第9回】

2024/10/25 製剤

引き続き、貼付剤の製造方法について解説する。

8.貼付剤の製造方法
8.2 テープ剤の製造方法

テープ剤の製造方法についてもパップ剤と同様に概略が日本薬局方に記載されている。すなわち、製造工程の範囲は、有効成分及び添加剤の混錬、展膏・裁断、充てん、包装、試験・保管で、重要工程は混錬工程、展膏・裁断工程、充てん工程である。樹脂やプラスチック、ゴムなどの非水性の天然又は合成高分子化合物を基剤(粘着剤)とし、これに有効成分をそのまま、又は有効成分に粘着付与剤、吸収促進剤、安定化剤などを加え、全体を均質とし、支持体もしくはライナー(剥離体)などに展延して成形する。更に放出制御膜を用いた放出体に封入して成形して製することも出来るとある。
テープ剤の場合、局所用のテープ剤と全身性のテープ剤があり、それぞれ用いる粘着剤の種類により表7に示すように2種類の代表的な製造方法がある。

表7 テープ剤の製造方法とその特徴

ホットメルト法は、短時間で大量の製品の製造が可能なことから、比較的薬価の安い局所テープ剤の製造方法として汎用されている。ただし膏体を100℃以上の高温で薬物や添加剤を溶融、混錬するため、熱に安定な薬物での製剤が推奨される。膏体重量はパップ剤に比べて少ないので、如何に薄く均一に展膏できるかが重要で、そのための製造装置が必要である。

 

 

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執筆者について

山内 仁史

経歴

1981年第一製薬株式会社(現第一三共株式会社)に入社。研究所 製剤研究センター配属となる。株式会社ディ・ディ・エス研究所、埼玉第一製薬株式会社研究部に出向し、その後ニプロパッチに転籍。研究開発部長、ビジネス開発部長、春日部工場長を歴任。ニプロファーマ株式会社品質保証部参与を経て、現在は公益社団法人日本薬剤学会事務局顧問。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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