知的財産の基本から知財ミックスまで【第28回】

2024/10/18 その他

特許庁が毎年行っている審査に関するユーザー評価調査報告書(令和6年度版)について紹介をする。

商標審査のユーザー評価調査報告のご紹介

 こんにちは、弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
 当初、商標の登録要件について説明する予定でしたが、先日、特許庁が毎年行っている審査に関するユーザー評価調査報告書(令和6年度版)が公表されましたので、今回はその内容をご紹介したいと思います。

 この調査は平成24年から毎年行われているもので、特許庁の審査の質の現状把握と改善を目的としたものです。特許庁の審査に対する多くの出願人の声を代弁していると思いますので、参考になると思います。

 ここでは、商標審査に対するユーザー評価についてご紹介します。調査はオンラインアンケート形式で行われ、令和4年度の商標出願に関連する出願人や代理人が対象となりました。全体の回答率は84.7%です。

 特許庁の行う商標審査の質に対する全体的な評価では、94%が「普通」以上と回答し、52.5%が「満足」または「比較的満足」と回答しています。

 しかし、各自由記入欄におけるコメントには、「識別性の判断」、次いで「審査官間の判断の均質性」に関し、否定的なものが多くありました。
 前回の商標の識別力に関する記事で、近年、識別性の判断が非常に厳しくなったことに触れましたが、特許庁の判断に対するユーザーからの不満の多くは識別性の判断に関するものでした。

 

 

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執筆者について

鈴木 徳子

経歴

ブランシェ国際知的財産事務所 共同代表弁理士。
代々医師の家系に生まれ医学書に囲まれた生活を送ったが、医師にはならずに文系の道を進み知的財産の専門家になった。一橋大学経済学部卒業。現ウォルト・ディズニー・ジャパンでキャラクターのブランディングを担当し、商品化権(著作権や商標権など)に基づくライセンスビジネスに携わる。ディズニー時代に初めて、「知的財産権」という言葉に出合い、その重要性を実感し弁理士になる。その後、外国知的財産サービス会社で大手日本企業(医薬品、化粧品、素材系メーカーなど)の全世界120か国における商標権取得、企業合併に伴う権利移転手続や侵害対応などに携わる。2015年3月事務所開設。大学や各種セミナーで講師も務める。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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