「マラソン」第13回

2024/09/27 その他

京一~山を走る⑬~

33 100mile達成なるか!?
再び伏見稲荷からスタートする、残り25キロ。
走り始めてみて、身体の動きが軽くなっていた。
夜中のことが嘘だったように私の身体は動き、普通に走れるようになっていた。
同行者が来るまで1時間程度休憩したのもあったが、ここまで135キロも走ってきたのにも関わらず不思議なものだ。
知り合いが言っていたことを思い出した。
距離が長ければ長くなるほど、体調はその中で刻々と変化し、悪くなったと思いきや回復することもある、言っていたのだがそれを体感出来た時であった。

10キロほど進むとさらに仲間が増えた。
私が山を走りだして初めて仲間となった人だった。

そのような人たちに応援されながら後残り約10キロを進む。
最初の頃よく来た大文字山を越え、最後の比叡山に差し掛かった。

ついに終わりが来る。
私は元気いっぱいで、最後のウイニングランを満喫した。
そして私の家の少し手前で時計は160キロを指した。

「やった!」
私は、時計を止めた。

家に帰り、宅配ピザを注文し、皆で祝杯をあげた。
徹夜で走ったが意外と元気で、信越五岳の時のようにビールがおいしくないということもなかった。
もちろんレースではなく、そこまで早く走っていないからということもあるのだろう。
そんな楽しい時間を過ごしていた時、ふと私は気づくのであった。

「あれ!?」
時計を見ると距離が99mileとなっているではないか。
よく考えると1mileは1.61キロ、正確には約161キロで100mileとなるのだ。
私は160キロ地点で時計を止めてしまった。

「しまった!」
皆に、笑われた。
私は結局『100マイラー』にはなれなかったのである。

ただ、これで目標達成かなと思いながら、その後も余韻に浸りながらのんびり過ごしていた。
そしてこの年も、私の走りたい信越五岳100mileは開催されなかった。
次の年、ウルトラトレイルマウントフジは開催されたのだが、私はエントリーしなかった。

「もう、100mileは良いかな。」
そう思っていた2022年の春先、信越五岳トレイルランニングレースの案内がHPに掲載された。
どうせ前と同じで100キロ以上のレースを2本走っていないと出られないと思いながら、一応参加要件を見てみることとした。

 

 

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執筆者について

京一(仮称)

経歴

GMP関係の仕事に従事、講演・執筆なども行っている。
7年ほど前、山登りに誘われたことをきっかけにトレイルランニングに没頭。
その傍らフルマラソンやトライアスロンにも挑戦。
100mile(約161キロ)のトレイルランニングレースを走るまでとなり、トレイルランニングが人生を変えるきっかけとなった。
その人生が変わっていく軌跡を仕事の傍ら紹介するため記事にしたためている。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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