エッセイ:エイジング話【第67回】
RMMをWFI測定3
エンドトキシンは微生物の細胞壁内に存在する恒温動物にとって毒素で在ることから、注射剤の仕込み水となるWFIは、無菌試験適合で在ることが重要な要件とされます。
一方、精製水は無菌試験適合までは求めません。これは医薬品製造に水を使う用途が異なるからです。精製水は口経薬への用途が大方であり、WFIは非口経薬への用途である大きな違いがあります。口経薬と非口経薬では、人にとって許容できるエンドトキシン量が異なるからだと理解します。ただ国内では、精製水に対して自主的に無菌を管理する現場も在ります。これは、無菌ではない言わば中途半端な管理は困難だからです。
無菌試験は結果を得るのに少なくとも7日間を要します。短い培養期間では、検体に微生物が存在しても検出できないことを物語っています。存在しないか・存在しても微量な検体を7日間に渡り、無菌を維持するのは簡単ではありません。と言うことは無菌試験はプラスマイナス両面の誤差を内在していると言えます。
ここは、短い時間で迅速に微量微生物由来粒子を検出できるRMMとは、操作自体が異なります。よって、無菌試験結果とRMM値に相関はありません。なぜなら、検出感度と誤差に対する考えが異なるからです。
そもそも、無菌を検査するには何処からを非無菌とするか、区分けを前もって議論すべきと考えます。ここをクリアにせずRMM測定へ進むと結果が出て混乱すること前回触れました。
何事も進化する過程で、従来法をベースに考える姿勢が蔓延り、進化を排除する方向へ走り時間を要することを体験しました。EU当局が、Non-distillation method を認識することしかりです。これには、筆者がウヲッチを始めてから短く見積もっても15年を費やしました。
RMMと一括りに言いますが、測定原理が機種毎に異なります。迅速という視点から見ると、数秒~数時間までRMM値をカウントする時間軸に幅が在ります。測定原理の代表的な2例を示すと、試薬反応終了を待ちRMM値をカウントする機種・レザー光を照射し瞬時にセンサーが反応しRMM値をカウントする機種が在ります。
併せて、死菌や殺傷菌対する扱いに対しても、個別に検出する或いは合算してRMM値をカウントする機種も在ります。
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