「マラソン」第12回

30 100mileへ
心身ともに準備が整ったと感じていた私は、ウルトラトレイルマウントフジが開催されるのを楽しみにしていた。

しかし…

新型コロナウイルス感染症の猛威は収まらず、むしろ増すばかりであった。
開催を待ち望んでいたが残念ながら直前にウルトラトレイルマウントフジは中止となってしまった。

「仕方ない」
と、素直に受け止めたのを覚えている。
逆に開催者側の直前での苦渋の決断をせざるを得ない状況を気の毒に思った。

その代わりとして大会開催予定であった時期に1週間で100mileを走った人にプレゼントを配布するという企画が大会主催者から告知された。

1週間の中であれば1日何キロ走っても、なんなら歩きでも構わない。
合計100mileになれば良いのだ。
多くの人は何日間に分けて合計100mileを走っていた。

そこで私が思いついたのは「1度で100mileを走ろう」ということであった。
私は本来大会が開催されるはずだった土日で、一気に100mile走ることを決意した。

折角なので京都一周トレイルで100mileになるようコースを考えた。
伏見稲荷―嵐山までで70キロ弱、往復すると135キロ程度、まだ25キロ足りない。

伏見稲荷から比叡山をかすめて家への距離を調べて見た。
そうするとどうだろう、25キロ程度あるではないか。

コースが決定した。
伏見稲荷をスタートし、嵐山で折り返し、再度伏見稲荷へ。
そして再度、伏見稲荷から比叡山をかすめて帰れば100mile程度になる。
その瞬間、ワクワクしたのを覚えている。

土曜の朝、スタートすることとした。
復路は夜になるだろう。
誰かが一緒に来てくれると心強い。

そう、こんな時のうしろださんだ。
私は、うしろださんに「復路を一緒に走ってくれないか?」と連絡した。

そうするとどうだろう、迷わず快諾してくれて、かつ、夜から同行となると昼間が暇になるから最初からついていくよ、と返事が来たのだ。
100mileは走らないということであるが、100キロ以上の道のりを気軽に同行してくれるうしろださんの感覚はどうなっているのか、いつもびっくりする。

 

 

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