2023年中国医療機器飛行査察指摘事項

2024/03/22 レギュレーション

余 知暁

2023年中国医薬品監督管理局は20社の医療機器メーカーに対して、飛行査察(無通告査察)を行った。

2023年中国医薬品監督管理局は20社の医療機器メーカーに対して、飛行査察(無通告査察)を行った。指摘事項は、医療機器GMPの章の構成に従い、下記11方面計176項目が取り上げられている。

176項目の指摘事項のうち、クリティカル指摘事項は2項目で、そのほかは全部微小指摘事項である。クリティカル指摘事項2項目を受けった会社は、直ちに製造中止、レポート発表されている時点でも製造中止して、是正を行っている。そのたの会社は全部是正が完了した。

指摘内容から考えれば、最も指摘されているのは製造管理(29項目)で、その次は設備(26項目)、工場施設(25項目)、文書管理(21項目)、品質管理(20項目)と設計開発(20項目)である。

製造管理に関する指摘事項のうち、最も多いは製造記録に関するものである。医療機器GMP第50条は「製品はロット (台)毎に生産記録を作成し、追跡可能にする。生産記録には、製品名、仕様と型式、原材料のロット番号、製造ロット番号または製品番号、生産日、数量、主要設備、プロセスパラメータ、作業員などが含まれること。」を規定している。操作時間や温度などが記入されていない製造記録の記入不完全、また必要とされる記録はないことはよく指摘されている。2番目に多く指摘されているのは、混用や誤用を防止するための表示不備である。

設備について、最も多い指摘は計器が校正されていない又は校正有効期間が切れていることである。2番目は第20条の要件「生産設備には、意図しない使用を防ぐための明確な状態表示が必要である。」を違反した設備状態表示に関する指摘である。ほかには、機器の使用記録がない又は記録に不備があることである。これは医療機器GMP第 22 条 「企業は、試験検査機器および設備の使用、校正、保守および修理を含む使用記録を作成しなければならない。」を違反した。

 

 

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執筆者について

余 知暁

経歴 株式会社シーエムプラス中国リエゾンオフィス所長、GMP Platform コンサルタント。
2005年瀋陽薬科大学を卒業、同年日系大手エンジニアリング会社に入社。GMP部門のバリデーションエンジニアとして、日本において新設医薬製剤工場設立におけるバリデーション業務、DQ/IQ/OQ要領書の作成に従事。2010年上海東富龍科技股分有限公司入社。凍結乾燥機のエンジニアリング業務での通訳及び日中間における各種契約事項の調整に携わる。2013年株式会社シーエムプラスに入社。 PMDAによる中国製薬企業原薬工場GMP調査での通訳経験を複数回有し、中国語、日本語、英語と三ヶ国語を扱う。
2018年には中国CFDA(現NMPA)が主催する『日本のGMP査察システムに関する検討会』にメンバーとして参加。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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