「マラソン」第5回
12 ロングトレイルランニングレースと初マラソン
そんなこんなで、わたくし京一は、60kmのトレランレースの完走を目指すチームとサブ3塾を掛け持ちすることとなった。
当時は結構ハードであった。
トレランのおかげで10キロほど落ちた体重もさらに5キロ落ちた。
トレランの講習会が6月に始まり4カ月が経過した。
待ちに待った10月のトレイルランニングレースの開催。
しかし…
台風が発生し、レースの日に直撃する予報となり、大会は中止になった。
残念ではあったものの、その後残念会と称し打ち上げが行われ、そこで仲良くなった方々との交流が今も色濃く続いている。
講習会に参加したことは無駄ではなかった。
その約、1か月後、はじめてのフルマラソンを向かえることとなった。
ハーフマラソンなどにも出たことがなく、ロードレースははじめてだった。
自分で言うのもなんだがサブ3塾でメキメキと実力はつけていたと思う。
あわよくば初マラソンで3時間切り、なんていう甘い期待も抱いていた。
そしてレース当日、少し雨がぱらついていた。
初マラソンということもあり、スタートは後方から。
スタートの号砲と同時に多くの人に揉まれながら走っていく。
初めての体験だった。
ペースが遅い人の間を縫うように、蛇行運転を繰り返す。
数キロ走った地点からだいぶ人がばらけて走りやすくなった。
「同じペースなら女性を目標にしろ」
あおきさんの言葉を思い出した。
同じペースで走っている男女がいた場合、後半含め一定ペースで走れるのが女性、という経験則から来るものらしい。
近くにいた女性の後ろについていくことにした。
後ろにつかれるのは嫌だとは思うが、初マラソンなので許して!と心の中で思いながらついて行った。
まず10キロ地点で43:27というタイム。
1キロ平均4分20秒で走っている計算である。
3時間切りをする場合、1キロ当たり4分15秒くらいで走らないといけないため5秒足りない。
そしてこの5秒が大きいのだ。
その後も、その女性についていく。
気づくと、その女性を先頭に集団が出来ていた。
皆、考えることは一緒なのか?
20キロ地点まで来た。
1:28:29
ここまでの1キロ平均は4分25秒であった。
そして10キロ地点から20キロ地点までの10キロは、45:02で最初の10キロよりタイムが落ちていた。
ただし、走っていたときは、そこまでのタイムの落ちは感じなかったと思う。
ただ、ここから体感的にも落ちていくこととなる。
ハーフマラソンの距離を越えたあたりから女性についていくのがしんどくなっていった。
足が思ったように動かない。
女性はペースが変わらないのに対し、私はついていけなくなってしまった。
そこからの残りは、苦痛との闘いであった。
20キロから30キロまでの10キロは、53:21であった。
1キロあたり5分20秒もかかっている。
最初の10キロの時と、1キロあたり1分も違う。
そして、最後の12.195キロ。
「マラソンは30キロから」とよく言うが、まさしくそれであった。
苦悶の表情で走る、そして足は両足ともに攣りだす。
悲惨な有様だ。
30キロから40キロまでは、60分以上かかってしまった。
そして最後の2.195キロは17分もかかっている。
ゴールまでの最後の坂は、まさに死に物狂いであった。
ゴール…最初のフルマラソンはほろ苦い思い出となった。
ゴール直後に、両足が攣り、生まれたての子羊のような状態となってしまった。
問題のタイムであるが3時間39分
あわよくばサブ3どころか3時間30分も切れない有様。
マラソンの厳しさを痛感した。
そして、その後もこの厳しさに幾度となく跳ね返されることとなる。
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