ICH Q14(分析法の開発)案について

 本年3月24日にICH Management Committeeに採択されStep 2となったQ14案⑴(以下Q14)概要に触れます。Q14(ラポーター:檜山行雄氏)はQ2と連動しており、Q2の改訂も同時に検討されています。分析法の開発に関するICHガイドラインはなく、RTRT等のいわゆる革新的な技術に対して規制当局とのコミュニケーションが十分にとれないことや分析法について承認後の柔軟なアプローチがとれないという課題があり、また、Q2(R1)ではRTRTや多変量モデルをバリデートするには十分でないといった問題が挙げられています⑵。
 Q14では分析法の開発はQ8における製剤開発同様、最小限の手法とより進んだQbD手法が適用できるとして、更に多変量解析及びRTRTに言及しています。既に発出されているQ12(ライフサイクルマネジメント)では分析法の変更マネジメントも対象となっており、Q14で分析法の管理戦略(analytical procedure control strategy)が示されれば、製法開発同様効率的な変更マネジメントが分析法でも可能となります。新たな取組みとしてプラットフォーム分析法が確立されれば、その方法は複数の製品に採用することが可能であり、サイエンスベース・リスクベースから正当化すれば重複してのバリデーションテスト(validation test)は不要と判断できるとしています。
 分析法開発でのより進んだ手法(enhanced approach)は次の方法によりますが、製法開発と概念は類似しています。

  • Analytical target profile(ATP:分析法目標プロファイル(仮訳))の定義。ATPの例はAnnex AのTable 1に示される。
  • Analytical procedure parameter(分析法パラメータ(仮訳))の特定及びそれらの相互作用の評価と範囲の特定。分析法パラメータは、試薬の品質を含む全ての条件や分析法の操作ステップで、流速のように連続的に変動するものの他、管理可能な単一の条件等があると定義される。
  • 分析法管理戦略の特定(これにはperformance criteria(性能基準(仮訳:測定結果の質を保証するために数値で規定される範囲・限度値又は求める状態を規定した許容基準)に裏付けられたセットポイント(設定値)や範囲が含まれる)。分析法管理戦略はその時点(current)での分析法から導かれる管理の一式で、分析法の性能と測定結果の質を保証するものと定義される。
  • ライフサイクルの変更マネジメント計画(EC、PARやMODR(method operational design regions:分析操作設計領域(仮訳))といった明確な規定をその中に含む)。MODRは、分析法の性能基準が満たされ、測定結果の質が保証される分析法パラメータの範囲の組合せと定義される。⇒ 製法開発のデザインスペースの概念に相当し、MODR内の変更には法的手続きを要しない。

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