チュアブル錠に関する品質特性

2016/11/16 製剤

 チュアブル錠は、かみ砕いた後に飲み込むことを前提とした錠剤であるが、その目的は水無しで飲めるというところにある。この目的には、口内崩壊錠とチュアブル錠の二種類があるが、チュアブル錠は用量の大きい場合に適している。この前提条件を理解するとFDAドラフトガイダンスの論旨や重点の置き方が理解しやすい。
 
■FDAドラフトガイダンス(2016年6月)
Quality Attribute Considerations for Chewable Tablets
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM507098.pdf

■要約
 チュアブル錠は、丸のまま飲まれるよりもかみ砕かれた後に嚥下されることを特徴としており、小児や老人を含めた多様な集団に適した特性が求められる。米国薬局方では単に投与を容易にするためのものと、喉に詰まらせることを防ぎ、有効成分の放出を確実にするため必ずかみ砕いてのむべき錠剤との二種類に分けているが、このガイドラインは両方のタイプに適用できる。
 チュアブル錠の品質特性として重要なのは、硬度や崩壊性、溶出性、生物学的利用率など、生物学的同等性に影響する可能性があるすべての要因である。更に錠剤の大きさ、厚さ、摩損度および味にも注意が必要である。これらの特性の一つを選択して管理するのではなく、意図した用途に対する性能を発揮するため、これらの特性を組み合わせて開発することを考えるべきである。各特性評価については以下の通りである。
 

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執筆者について

山本 久夫

経歴 株式会社シーエムプラス GMP Platformシニアコンサルタント
1974年サッポロビール株式会社入社。ビール製造品質管理に従事後事業多角化のため体外診断薬、制癌剤の開発を行う。サッポロビール株式会社の医薬開発事業撤退に伴い生化学工業株式会社に入社。医薬品開発業務、研究管理、薬事申請業務、品質保証業務に従事後2010年3月退職。デンツプライ三金を経て2012年3月株式会社シーエムプラス入社。国内外規制情報の収集及び解析・翻訳、申請支援等を含めGMPコンサルティングに従事。
研究開発、信頼性保証、申請業務を含めた各国当局対応を通じGMPは科学的な見地からの品質の確立につきる問題であり、医薬品の進歩の足枷になってはいけないということを実感している。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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