連続経口剤製造ライン

2012/03/28 製剤


記事投稿:株式会社ユーロテクノ
 
粉末から錠剤まで約20分
製造コストを約40%削減したGEA Coleette社のConsiGma™
連続バッチ生産システムについて


■はじめに
 
 従来から経口剤製造ラインでは、バッチプロセスが主流であった。一方医薬品産業以外、例えば石油、化学、食品産業初め多くの産業では連続生産プロセスが確立されている。この連続生産システムが利用できると必要な量を必要な時に(ジャスト イン タイム)、また、製品をあらかじめ製造し保管することなく(リアルタイムリリース)製品の製造を可能にする。連続生産システムには数多くのメリットが認められながらも製薬業界での採用が少なかったのは、生産開始や終了の際に発生すると思われた製品のロスや、万一、プロセス中にトラブルが発生した場合、連続プロセスでは、トラブルの影響範囲が明確では無く、その全生産量を不良品とせざるを得ないというリスクが大きいためと考えられたからである。
 
 上記の課題に対し、連続生産の検討が進んでいる。背景として、近年プロセス用センサーや制御技術の著しい進歩により、パラメーターと最終製品の品質との関係にDoE(実験計画法)を適用することによりQbD(製剤への品質の作りこみ)へとつながったことが挙げられる。この連続生産の代表例がGEA Collette社が開発した経口剤の連続生産システム(25kg, 50kg, 100kg/時)である。GEA Collette社の連続生産システムでは、連続生産システムでありながら、万一の品質面のリスクを回避するため各プロセス間ではバッチの考え方を採用し、最悪不用品が発生した場合でも最大1.5kgのロスで済むように設計されている。この連続生産でありながらバッチを構成させているコンセプトは、ブレンダーに製品が投入される前の評価システムに止切り弁を取り付け、製品を前後のラインと一度切り離し、品質評価をその中で行った後、良品のみブレンダーへと投入されることに代表的に示される。この新たに開発された連続経口剤製造システムをGEA Collette社では連続バッチ生産システムとも呼んでいる。この連続バッチ生産システムのもうひとつの特徴は重要品質特性をリアルタイムで評価する必要があるので、従来の分析方法とNIRを初めとするPATの手法を応用した多変量解析の手法が採られていることにある。
 
 進歩したセンサーと制御技術の結果、製品の品質を簡単に追跡でき、フィードバックやフィードフォーワードをかけ、製品が不良品となる前に重要な品質の属性変化を修正すべくプロセスパラメーターを自動的に補正し、不良品の発生を大幅に減らすことを可能にしている。
 

 

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