中国医療機器品質システムに関する法規制定について

2015/06/04 医療機器

李 非

医療機器品質管理システム(以下品質システムと略す)における法規は医療機器監督管理システムの重要な一環で、医療機器製造企業が設計要件を満たす合格品質を恒常的に提供することを保証する根本である。グローバルのトレンドから見れば、医療機器監督管理の重点は市販前の審査承認から市販後の監督へ、最終製品の品質コントロールから製造過程の管理へ移行している。このトレンドに合わせ、医療機器製造企業の品質システムにおける法規を建設且つ健全化させることは医療機器の安全性と有効性を保証するには重大且つ現実的な意味がある。
 
一、中国医療機器品質システムにおける法規建設
医療機器監督管理の主な措置として、市販前審査承認、市販後モニタリング及び品質システム管理がある。中国医療機器品質システムにおける法規建設進捗は医療機器監督管理の発展と合っている。2000年より中国国務院は「医療機器監督管理条例」を公布してから、中国の医療機器品質システムにおける法規の建設は3段階で進んだ。

(一) 第一段階
2000年5月、国家医薬品管理局SDA(State Drug Administration)が「医療機器製造企業品質システム審査方法」を制定且つ公布し、第二&三類医療機器の製造を申請する企業に対する審査及び企業の定期審査に用いた。当該方法は管理職責、設計管理、調達管理、プロセス管理、製品検査及び試験などの面において品質管理の基本要件を規定していた。且つ、製造企業は審査を通した後、定期的な自己点検を行い、同時に医薬品監督管理部門の監督管理を受ける義務を規定した。製造企業は審査を通した後、審査部門に「医療機器製造企業品質システム審査報告書」が交付される。この報告書は企業が製造登録を申請する時に提出する資料の1つであった。

2001年、SDAが「使い捨て無菌医療機器製品(注射、輸液器具)の製造実施細則(改定版)」を公布し、使い捨て無菌医療機器の製造企業が製造企業許可証、製品登録証及び証書更新を申請する時の審査、監督検査及び年度検査において企業製造条件の検査評定に用いた。この実施細則を参考とし、実施経験を踏み、SDAは2002年12月に「外科植え込み物製造実施細則」及び「使い捨て麻酔穿刺キット製造実施細則」を公布した。上記「製造実施細則」の実施は対象製品の品質システム管理、品質向上、一部の中小企業の低レベルの製造重複と悪性競争の抑制、企業の製造規模拡大の促進、企業管理レベルの向上、市場秩序の整理整頓等に重要な作用を発揮した。
 

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執筆者について

李 非

経歴 1999年、清華大学卒業後、ペンシルベニア大学生物医学大学院入学。2003年大学院卒業後、中国瀋陽Philips and Neusoft Medical Systems Co., Ltdに入社、医療機器開発に従事。2005年より遼寧省食品医薬品監督管理局技術審査評価センター医療機器部門長。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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