製薬会社MRとは一体何か?【第16回】

大学病院で新製品を採用させるためにどのような手続きが必要になるのか

GMP Platformに16回目の記載となります。

塩野義製薬MR→コントラクトMRからヘルステック企業を経て起業し、現在はYou Tubeチャンネル(にしまファーマ) を運営しながら、医療系人材紹介会社を経営しております。

MRが出てくるドラマで大きな病院で採用させるために先生に頑張って面談、説明会を行い、採用を勝ち取る!といったドラマティックな展開を見たことがありますが、その裏には地道な活動と病院側の調整があって採用に至ります。エリア全体の処方に影響があり、重要度の高い施設である大学病院で新製品を採用させるためにどのような手続きが必要になるかについて、ご紹介したいと思います。

※自身の経験を踏まえたご紹介ですので、全大学病院が該当ではないことご容赦ください

<院内でPRするために薬剤部で許可をもらう>
大学病院では院内で新製品を宣伝させてもらうには薬剤部へのPR許可が必要になります。新製品が発売したから、先生にすぐ案内しよう~♪という行動をするとルール違反となり訪問禁止になります。PR許可を得るために病院が指定する資料を提出し、薬剤部でMRへのヒアリングが実施されます。一般的なところですと下記の資料を求められます。沢山あるように思いますが、ほとんどが本社で作られている資料になるのでMRが新たに準備するものは少ないです。(知り合いの大学担当者の施設は指定の様式にびっしりと情報を記載しなくてはならず、施設によって負担は違うかもしれませんが。)

例)ヒアリング提出資料

  • 依頼書
  • 添付文書
  • 医療用インタビューフォーム
  • 医療用医薬品製品情報概要
  • 新医薬品の「使用上の注意」の解説
  • 適正使用ガイド
  • 患者向け資料(小冊子など)
  • リスクマネジメントプラン(RMP)
  • 審査報告書
  • 文献集(体内動態,基準薬とのRCT文献など)・・

ヒアリングの形式は薬剤部長、DI担当(Drug Information;病院内の医薬品に関する情報を集積、整理、提供することを主な業務としています)が対面で資料説明および質疑応答を行う場合や、薬剤部全体に説明会を行う場合など形式は施設によって様々です。私は対面で行う形式を経験したことがありますが、他剤との比較や安全性に関する情報を事細かに質問され、びっしりと汗をかきながら対応した記憶があります。その場で回答できないものが出れば事後回答で持ち帰り、提出資料に加わります。ヒアリング結果より新薬の有効性・安全性情報が検討されたうえで、晴れて院内PR許可が出ます。

 

 

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