【第1回】東大松尾研発スタートアップ・AIを活用した品質保証業務

2024/08/09 製造システム

岸 尚希

品質保証に関してAIがどのように活用できるか。

1. 会社紹介・株式会社EQUES(えくえす)

皆様はじめまして!株式会社EQUES(えくえす)CEOの岸尚希と申します。
弊社は今期3期目となる、東大松尾研発AIスタートアップとなります。「最先端の機械学習技術をあやつり社会の発展を加速させる」ことをミッションとし、アカデミアと産業をシームレスに繋ぎより良いアルゴリズムを社会に実装することを目指しています。私自身は東京大学大学院情報理工学系研究科にて超音波触覚の研究を進めております。AIを含めた最先端の技術をより早く現場で使えるようにしたいと考え、EQUESの創業に至りました。
EQUESではこれまで様々な業界のAI導入に取り組んできましたが、「GMPのチャットボットを作ってほしい」という依頼が来た事をきっかけに、品質保証業務のAI効率化に着目しました。今回の記事では、品質保証に関してAIがどのように活用できるか、お伝えしたいと思います。
 

2. 製薬品質保証×AIの構想

[図2]

製薬メーカーの品質保証担当の多くは、普段から膨大な文書業務に追われているのではないかと考えております。様々な文書の作成、他部署の作成した文書のチェック、監査の準備のための文書の整理などが挙げられます。一方で、近年GMPにまつわる基準の厳格化がみられ、品質保証の皆様の業務量はますます増えてきています。これまで以上に医薬品の品質を保つためには、日々の文書業務の効率化は不可欠です。
ところで、近年AIの分野においては、「生成AI」と呼ばれる技術の著しい発展がみられます。そのうちの一つが「ChatGPT」です。ChatGPTは大規模言語モデル(LLM)を活用したチャットモデルの一種で、人間が入力した言葉に対して、質疑応答や要約などの文章生成が自動でできるAIになります。ChatGPTは様々なシステムへの組み込みが検討されており、企業内のチャットボットや、サービス紹介文の作成支援に使われ始めています。

我々は、最先端のAI技術である「大規模言語モデル」を活用することで、品質保証業務を効率化できると考えております。例えば、様々な種類の文書の自動生成、文書の不備のチェック、文書整理の自動化、類似文書の効率化が実現できる可能性があります。大規模言語モデルは製薬業界、特に品質保証業務の効率化に適していると考えています。その理由として、品質保証では文書という多くの「テキスト」が記録されていることです。大規模言語モデルの性能を引き出すには、実現したい機能に関わる独自のテキストを入力することで実現されます。一般的に大規模言語モデル・ChatGPTのシステムへの組み込みのためには、システムの機能を実現するために必要な情報をテキストに整備する必要があります。一方で製薬・品質保証においては、医薬品の情報や基準がすでに文書としてまとめられているため、システム開発のためのテキスト化の負担が少ないことがメリットとして挙げられます。

 

 

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執筆者について

岸 尚希

経歴

株式会社EQUES 代表取締役 CEO
東京大学大学院情報理工学研究科。元松尾研究所プロジェクトマネジャー。松尾研起業クエスト1期生。松尾研究所チーフAIエンジニアとして企業との共同研究に従事。その後、現実世界と情報学の融合を志し、東京大学工学部計数工学科在学時にEQUESを創業。専門はシステム情報学、特にテラヘルツ波通信とハプティクス(触覚技術)。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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