【気になる話題】ASTROM通信<31号>より

2013/11/21 製造(GMDP)


株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。
 
本稿は【2013.8.1】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー
 
 
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
 
連日、ゲリラ豪雨や集中豪雨のニュースを耳にしますが、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか?
 
さて本日は、最近気になる製薬業界の以下の話題について取り上げたいと思います。
1.コンピュータ化システム:"ウチは紙が正です"は今後どうなるか?
2.生産管理システムにおける出荷管理
3.TPP交渉
 
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1.コンピュータ化システム:"ウチは紙が正です"は今後どうなるか?
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使用しているコンピュータ化システムのバリデーションが未実施であったり、セキュリティ等の管理が不十分であったりして、コンピュータ化システムを使っていると言いたくない場合、査察時に、"コンピュータは単なるワープロとして使っているだけです。ウチは紙の記録が正(真の記録)です。"という製薬会社様がおありだと思います。
弊社で生産管理システム導入のヒアリングをさせていただく際も、そういうお話をよく耳にします。
 
しかし、最近、海外メーカの査察を受けられた会社様の中には、この"ウチは紙が正です"を認められずに指摘されてしまうケースが出てきています。
紙は、印刷をし直してデータや日付を改ざんすることができてしまうので、記録の真正性が低いためです。
 
どう見てもシステム化されているはずの業務なのに、頑なに"ウチは紙が正です"というのは、逆に何か事情があるのでは?と疑われてしまいます。
実はシステム化しているということであれば、しっかりバリデーションを実施すべきでしょう。
また、どうしても、一部機能は紙を使って運用せざるを得ない場合は、どこまでは電子を正とし、どこから、紙を正とするのかを明確にする必要があると思われます。
 
PIC/S GMPガイドライン パート1 第4章 文書化の中に、次のような規定があります。
 
4.1章 抜粋
多くの文書(指図書、記録)は、ある部分は電子的、他の部分は紙ベースのような、混在する形態で存在する。原本、正式な副本、データの取扱い、記録等の関係と管理方法は、混合する場合のシステムと単一の場合の両方のシステムで述べる必要がある。テンプレート、書式、原本のような電子文書の適切な管理を実施すること。保管すべき全期間にわたって、記録の完全性を保証するよう適切な管理を実施すること。
 
電子と紙が混合するシステムでも、しっかり管理が必要ということです。

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執筆者について

橋本 奈央子

経歴 株式会社プロス CSマネージャ
製薬企業向け生産管理システムの導入、バリデーション作業に従事。
コンピュータ化システムバリデーションにマンパワーをかけられない中小の製薬企業にて、バリデーション作業支援を実施。
規制当局のサイト等から、最新の規制動向や指摘事例を収集し、月2回ASTROM通信にてご提供。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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