これからはじめるGMP入門【第1回】GMPとは何か-3原則を知ろう-
はじめに
私たちの生活に医薬品は欠かせないものです。研究開発が目覚ましく、将来性も期待される業界ですから、製薬企業に関わらず、医薬品に関わる業務に携わる方々や、新たなマーケットとして、製薬業界への新規参入を計画する企業も多いでしょう。しかし一方で、「医薬品の仕事は難しい」と感じる方が、少なくありません。これは、ヒトの命に関わる医薬品ならではの事情によります。医薬品はヒトの体に作用し命を救うことができる反面、まかり間違えば、毒として作用する可能性もあります。このため、私たちが、安心して医薬品を使用するためには、医薬品の研究開発から製造、そして販売に至るまで、徹底した品質の管理と保証が求められます。そこで、製薬業界には、独特の業務の進め方、専門用語、遵守すべき法規、業界の動向などがあり、これらの知識なくしては、円滑に業務を進めることができません。これが、ある種、「壁」のように感じられるのだと思います。
かくいう筆者も、かつてプラントエンジニアリング会社に勤務し、20数年前、初めて医薬品工場のプロジェクトに携わる機会を得ました。薬づくりの「外側」から、できるだけ早く要点を掴むことが求められたため、筆者の話には「広く概観する」という傾向が出来上がったように思います。最近、これらの経験や知識を講演会でお伝えする機会を頂くことが多くなりました。またその際、「入門書はないのか」という問い合わせを受けることも多く、『ハードからみたGMP~医薬品ビジネスに関わる人が知っておきたいこと~』(2010年 株式会社 じほう)を出版するに至りました。(2011年に第2版が発行されています)。
そこで、今回の連載では、薬づくりに関わり始めた方にとって、よい入門となるようなトピックスをお伝えしたいと考えています。内容は、『ハードからみたGMP』に基づき、編集を加えています。皆さんのお仕事に、少しでもお役にたてれば、とても嬉しく思います。
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