ICH Q7(原薬GMP)の最新の規制動向-Q11、EMA Q&Aを踏まえて- 【第2回】

2016/03/25 製造(GMDP)

1 ICH Q7A原薬GMPガイドライン発出の経緯とその後の規制動向について
 
2 最新の規制動向と今後の動き
2.1 2000年代の規制の変遷 (第1回の続き)
2.1.1 原薬の開発と製造(化学薬品、およびバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)ガイドラインについて(薬食審査発 0710第9号):ICH Q11原薬の開発と製造
 Q11発出の経緯としては、2003年7月にブリュッセルで、医薬品の品質確保と向上を目的とした『科学とリスク管理に基づく医薬品のライフサイクル全般に適応可能な調和された品質保証体系の構築が必要である』とのビジョンが採択され、2007年9月Qトリオを化学薬品・生物薬品に適応することが確認された。そして、原薬の開発と製造においても、2011年5月にそれらの原則と概念の適用が検討され、Q11発出の基本合意に至ったものである。
 このことで、製法や生産物の『複雑さ』を考慮した、原薬の設計・開発・製造を理解し、開発するためのガイドラインが実現されたものといえる。
 適用の範囲として、化学薬品、生物薬品(ICH Q6A、Q6B)の原薬の設計・開発・製造を対象とする。Qトリオの概念に基づく『科学』と『リスクマネジメント』を取り込んだ品質の保証を確立しかつ弾力的な規制対応をするためには「開発戦略が重要である」とされた。
 Q11については、文献に示した6)、7)、そして多くのセミナーや講演の資料に詳述されているので、本稿ではQ11のコンセプト、及び要点部分のみを示した。
 
 ICH Q11のFinal Concept Paper(2008年4月11日)
   ・ 新規3極を調和するガイドライン
   ・ 原薬の開発と製造(CTD3.2 S2.2~2.6)の妥当性の説明と
    製造工程の記述している。
   ・ 化成品及びバイオを対象とする。
   ・ Q8~10に示された概念を包含しその例示を提供する。
   ・ 製品の品質と恒常性を保証するためのハイレベルなガイダンスである。
   ― トータルな管理政略の一部として、原薬の設計、開発、製造に
   関連する科学的技術的原則を調和するものである。

(2013年3月5日:医薬品品質フォーラム PMDA) 

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執筆者について

高平 正行

経歴 エイドファーマ 代表
NPO-QAセンター 理事 事務局長
1979年塩野義製薬(株)入社。製薬プラントの立上げ、医薬品製造管理者、合成研究等の製造業務を経て、品質保証部へ転出。信頼性保証本部 品質保証部 次長として、GMP統括管理、GQP品質保証業務(出荷判定、逸脱・品質不良、変更管理、苦情・回収)、国内外にある自社製品関連170箇所製造所のGQP/GMP/QMS/CMCの信頼性保証、医薬品・診断薬・医療機器製造所のGQP/GMP/QMS適合性監査などを約10年間統括する。また、医薬品医療機器総合機構一変・軽微変更、製品管理業務、国内外の医薬品品質保証ガイドライン等のカスタマイズ化にも従事する。
2011年12月より(株)エースジャパン 取締役 製品戦略担当。医薬品の原薬、中間体を中心とした品質保証、製造・試験、製造販売管理全般にわたり経営の視点から携わる。
2016年6月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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