ICH Q7(原薬GMP)の最新の規制動向-Q11、EMA Q&Aを踏まえて- 【第2回】

1 ICH Q7A原薬GMPガイドライン発出の経緯とその後の規制動向について
 
2 最新の規制動向と今後の動き
2.1 2000年代の規制の変遷 (第1回の続き)
2.1.1 原薬の開発と製造(化学薬品、およびバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)ガイドラインについて(薬食審査発 0710第9号):ICH Q11原薬の開発と製造
 Q11発出の経緯としては、2003年7月にブリュッセルで、医薬品の品質確保と向上を目的とした『科学とリスク管理に基づく医薬品のライフサイクル全般に適応可能な調和された品質保証体系の構築が必要である』とのビジョンが採択され、2007年9月Qトリオを化学薬品・生物薬品に適応することが確認された。そして、原薬の開発と製造においても、2011年5月にそれらの原則と概念の適用が検討され、Q11発出の基本合意に至ったものである。
 このことで、製法や生産物の『複雑さ』を考慮した、原薬の設計・開発・製造を理解し、開発するためのガイドラインが実現されたものといえる。
 適用の範囲として、化学薬品、生物薬品(ICH Q6A、Q6B)の原薬の設計・開発・製造を対象とする。Qトリオの概念に基づく『科学』と『リスクマネジメント』を取り込んだ品質の保証を確立しかつ弾力的な規制対応をするためには「開発戦略が重要である」とされた。
 Q11については、文献に示した6)、7)、そして多くのセミナーや講演の資料に詳述されているので、本稿ではQ11のコンセプト、及び要点部分のみを示した。
 
 ICH Q11のFinal Concept Paper(2008年4月11日)
   ・ 新規3極を調和するガイドライン
   ・ 原薬の開発と製造(CTD3.2 S2.2~2.6)の妥当性の説明と
    製造工程の記述している。
   ・ 化成品及びバイオを対象とする。
   ・ Q8~10に示された概念を包含しその例示を提供する。
   ・ 製品の品質と恒常性を保証するためのハイレベルなガイダンスである。
   ― トータルな管理政略の一部として、原薬の設計、開発、製造に
   関連する科学的技術的原則を調和するものである。

(2013年3月5日:医薬品品質フォーラム PMDA) 

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