ICH Q7(原薬GMP)の最新の規制動向-Q11、EMA Q&Aを踏まえて- 【第3回】

2016/05/27 製造(GMDP)

■これまでの掲載内容
1 ICH Q7A原薬GMPガイドライン発出の経緯とその後の規制動向について
 1.1 経緯
 1.2 ガイドラインの位置付けと日本への適用
2 最新の規制動向と今後の動き
 2.1 2000年代の規制の変遷
 2.2 EMA ICH Q7 Q&Aの発出(Q&A:Q7 1.1(序文)~2.2(品質マネージメント))

■第3回
2 最新の規制動向と今後の動き第2回の続き)
2.2 EMA ICH Q7 Q&Aの発出(Q&A:Q7 2.3(品質マネージメント)~4.2(構造及び設備)
-EMA: ICH Q7のQ&Aの公式制定(ステップ5)-
 前回第2回連載に続き解説を進める。Q&A発出の経緯は、厚生労働省「原薬GMPのガイドラインに関するQ&Aについて」(平成28年3月9日発)8の冒頭、緒言(PREFACE)部分に端的に示されている。一部補足しているが、その内容は、以下の通りである。
 「200011月にICH Q7のガイダンスが3極合意して以来、本ガイダンスを世界各国で実施するに伴って、いくつかの項での解釈上不確定なところを明確にしてほしいという要望が上がってきている。この質疑応答集(Q&A)は、これら要望に応えることを意図としている。」 
 
 また、それに続く内容は、以下の通りとなる。
諸言)ICH Q7は、各項間の関連を十分に理解し、原薬(API)のサプライチェーンの全段階(流通段階を含む)において適切にGMPが実施されるよう、行われている生産活動の種別に関係なく完全に読み込まれること。
ICHは、医薬品査察共同スキーム(PIC/S)に引き受けていただいた作業に謝辞を表したい。PIC/Sは、Q7の実施以来行われているトレーニング講習会から収集された関連するQ&Aを選定・照査することによって本文書の作成に貢献するとともに、その結果をQ7 IWGが適切に検討し、取りまとめられるようにして移管した。ICHの調査から追加設問が作成され、PIC/SにはICH当事者として文書作成に貢献いただいた。
ICH Q7は、ICH Q11(原薬出発物質の定義を参照、ICH Q8(R2) Part IIも参照のこと)、品質リスクマネジメント(ICH Q9)及び医薬品品質システム(ICH Q10)において、開発・製造のために規定された原則とともに適用されるべきものであることに留意いただきたい。ICH Q7で記載されたGMPの原則は、いかなる手法で開発・製造されても適用すること。
ICH Q7は、臨床試験に使用する原薬(19章)及び細胞培養・発酵により生産する原薬(18章)の生産に適用されるべきGMPの原則も記載している。」

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執筆者について

高平 正行

経歴 エイドファーマ 代表
NPO-QAセンター 理事 事務局長
1979年塩野義製薬(株)入社。製薬プラントの立上げ、医薬品製造管理者、合成研究等の製造業務を経て、品質保証部へ転出。信頼性保証本部 品質保証部 次長として、GMP統括管理、GQP品質保証業務(出荷判定、逸脱・品質不良、変更管理、苦情・回収)、国内外にある自社製品関連170箇所製造所のGQP/GMP/QMS/CMCの信頼性保証、医薬品・診断薬・医療機器製造所のGQP/GMP/QMS適合性監査などを約10年間統括する。また、医薬品医療機器総合機構一変・軽微変更、製品管理業務、国内外の医薬品品質保証ガイドライン等のカスタマイズ化にも従事する。
2011年12月より(株)エースジャパン 取締役 製品戦略担当。医薬品の原薬、中間体を中心とした品質保証、製造・試験、製造販売管理全般にわたり経営の視点から携わる。
2016年6月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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