製薬メーカーにおけるコア人財の育成【第11回】

グローバルにビジネスを展開する企業にとって、それを担う人財を計画的に育成し、継続的に輩出していくことが、ビジネスの成否を決める重要な要因となる。
前回は、「グローバルビジネス」の定義を行い、「グローバル人財」の理想像を描いた。今回は、その理想像に向かって、「語学力」の観点から人財育成を考えることにする。
「英語ができるヒトから英語で仕事ができるヒトへ」とは、言い方を変えると、求められている人財は単に英語が堪能な「英語屋」ではなく、多面的な能力を備えた「グローバル人財」だということである。すなわち、自立・自律した「グローバル人財」が求められている。「グローバル人財」とは世界を相手に仕事ができる人財であり、住居が国内か海外かを問わず、現在、あらゆる方面で求められていることは言うまでもない。「グローバル人財」としての能力を高めるには、「英語力」、「コミュニケーション力」、「ビジネス力(経営フレームワーク)」の3要素を補完しあいながら能力を開発することが重要である(図1)。かつて、「英語力」こそが「グローバルビジネス」に必要であり、語学力があれば仕事がうまく進むと考えた時代があった。実際、数少ない「英語屋」が経営者など意思決定者の海外出張に同行して通訳を務めていた時代もあった。そして当時は、海外とのビジネス文書のやり取りのために英文タイピストを雇っていたのである。一部の外資系を除きどの企業もこのような状況にあった。
現在は、各部門の担当者が「英語力」を身に着け、さらに「コミュニケーション力」と「ビジネス力」を磨く経験とともに、ロールプレーをふんだんに盛り込んだ研修で両者を身に着けて行くのである。今回は「英語力」を取り上げ、「コミュニケーション力」と「ビジネス力」、そして、具体的な研修内容は次回に譲る。
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