【第10回】ハラルの基礎とハラル認証、イスラム教徒マーケット分析
石油依存から脱却する中東経済、多角化で広がるハラルビジネスの可能性
こんにちは、ハラル・ジャパン協会広報部です。街路樹も日ごとに色づきを増し、深まる秋を感じる季節となりました。味覚の秋やスポーツの秋が楽しめる10月は、天候も安定してイベントも多く、楽しみがいっぱいですね。
さて今回は、ハラル認証の重要性や戦略をテーマに、中東市場に焦点を当てて解説していきます。中東経済は現在、石油依存からの脱却を目指す多角化戦略により、新たなビジネスチャンスを提供しています。特にサウジアラビアやUAEは、ビジョン2030と非石油部門への積極的な投資で注目を集め、株価は新興国株式平均を上回る推移を見せています。さらに、人口増加と豊富な労働力が長期的な成長を強力に支え、これらの中東市場は企業にとって大きなアドバンテージとなっています。
次の章では、ハラル認証制度の背景や中東市場でのビジネス展開のポイントについて整理し、その魅力を探ります。
イスラム教の発祥とハラル認証の起源
イスラム教は7世紀初め、アラビア半島で預言者ムハンマドが神の啓示を受けたことから布教が始まりました。イスラム教の聖地であり発祥地は中東です。
一方、ハラル認証は中東ではなく、実は東南アジアで誕生しました。ハラル認証は1960年代にマレーシアで始まり、マレーシア政府が運営するJAKIM(ジャキム:マレーシア連邦政府総理府イスラーム開発庁)がその代表的な認証機関です。
マレーシアは多民族・多宗教国家であり、経済発展に伴い食品の安全性を確保するためにハラル認証制度が導入されました。
中東でのハラル認証の必要性
多民族・他宗教国家のマレーシアとは異なり、イスラム教徒が国の全体を占めるような中東エリアでは、デフォルトでハラルなのが当然なので「ハラル認証」という制度で非ハラルのものと区別をする考えや必要がありませんでした。
今でこそ、マレーシアのようなビジネス戦略を真似て中東でもハラル認証制度が普及しつつありますが、そのルーツは多民族・他宗教国家の考え方にあります。
そのような背景もあり、中東エリアでは今のところ、肉や肉加工品以外、ハラル認証にこだわらず成分的にハラルであれば適切に輸出できると考えられています。
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