ドマさんの徒然なるままに【第52話】チョットGMP

第52話:チョットGMP
誤解を招くと困るので、初めに言っておきます。「チョットGMP」なんて言葉は存在しません。また何の意味もありません。最近ちょっと話題になっている対話型AI「チャットGPT」の語呂合わせによる洒落です。ただ、その話題の「チャットGPT」のGMPへの活用の可能性として筆者の思うところを書いたみました。
さて、その話題の「チャットGPT」、正確には「ChatGPT(Generative Pre-trained Transformer)」のこと*1ですが、米国OpenAIという人工知能研究所がデベロッパーとなり、昨年11月に発表した対話式の言語モデルを採用した最新のAIシステムで、言語ベース(日本語も可能です)で人間のフィードバックをもとに知能を強化することができるというシロモノです。例えば、「医薬品GMPのレベル向上のためには何をすれば良いですか?」という質問をチャットすれば、「こんなことを行えば宜しいでしょう。」と過去の情報(データ)を基に文章として答えてくれる(チャットしてくれる)といった具合です。現在のところ、簡易版については無料でトライアルできることと相まって、ちょっとしたブームになっているようです。
物は試しでやってみました。
----------------------------------以下、その一例です----------------------------------
■私からのチャット(質問)
医薬品GMPの簡単な勉強法はありますか?
ちなみに、⇒以下の水色文は筆者のコメントです。
医薬品GMP(Good Manufacturing Practice)は、医薬品を製造する際に必要な品質管理の規制基準です。GMPに準拠することで、医薬品の品質や安全性が確保され、患者に適切な医薬品が提供されることになります。
GMPに関する勉強法としては、以下のようなものが考えられます。
以上が、GMPに関する勉強法の例です。自分の目的や学習スタイルに合わせて、適切な勉強法を選びましょう。
----------------------------------以上でした----------------------------------
ちょっと当たり前(すぎる)の回答でした。こういった場合、質問事項をより具体的に絞り込むのが良いとのことですが、性格の悪い筆者、(意地悪のようですが)*2同じ質問を繰り返したらどうなるか試してみました。以下は、数回繰り返した際の回答群を整理して記しています。
■チャットGMPの回答(2回目以降)
医薬品GMP(Good Manufacturing Practice)は、医薬品製造における品質管理の基準です。GMPを理解することは、医薬品製造業界での仕事を目指す人にとって非常に重要です。
以下は、医薬品GMPの簡単な勉強法のいくつかです。
どうも2回目以降の同じ質問は、チャットGPTを怒らせてしまったのか、よりレベルの高い回答をしてきたとも思えますが、当初の意図としての“簡単な勉強法”からはズレてしまったようにも思えます。もしAI様(もはや“様”付けしないと怒られそうなので・・・)が馬鹿にされたと思って反抗したのであれば、それはそれで凄いとしか言いようがありません。
ちなみに、回答が優等生すぎて、「天才・秀才・ばかシリーズ」の天才さんand/or 秀才さんのコメントを見ているようです*3。少なくとも、回答文章は、その辺のいい加減な奴(私ですか?)より遥かに賢く、上手な文章だと感心してしまいました。
さて、現時点では、その精度に疑問もありますが、インプット側の者が『質問を具体化する and/or 絞り込む』ことでより詳細な回答も得られるようです。ただ、場合によっては完全に勘違いのアウトな回答(引用データからの創作、悪く言えばフェイク)もあるようです。ただ、元となるAI様側のデータベースが整備・充実化されることにより、精度も高まり、加速度的に進化していくと感じます。
AIチャットとしては、本年2月にMicrosoftがビジネスに特化した対話システム「Bingチャット」を、またGoogle社もこの2月に対話アプリケーション用言語モデルLMD(Language Model for Dialogue)*4を搭載した実験的な会話型AIサービス「Bard」を発表しています。現在のところ図形や写真といったビジュアルなものへの対応は十分とは言い難いようですが、一方でAI様にマンガを作成させてみたという話もあるので、それも時間の問題だろーなー、なんて思います。
これはこれでAI様の進歩とともに、有り難いことと言えるのですが、この機能を使うと簡単なニュース原稿などもAI様任せで執筆・編集でき、実際に使われているという話も聞きます*5。でもそうなると、このGMP Platformの記事やトピックスなどもチャットGPTで書けてしまうということになります。現在のところでは、過去の情報やデータをベースにしてのチャットなので、質・量ともに限界もあって予測的なことには使えないとのことですが、皆さんが活用すればするほど人工知能としては成長して行くことになり、今後の情報量の増加とAI様ご自身の進化次第では、ある程度の予測まで可能になるんじゃないかと思えます。そうなれば、「筆者の私見に過ぎませんが、・・・」といった責任逃れの言い訳的表現も、『私見と称して言い逃れする者もおりますが、通常はかくかくしかじかになり、その科学的見地からはこのように予測されます。』と言い切られてしまうような気がしないでもありません。
コンサルタントの先生方や研修会等で講師を務めている先生方、あまりのド正論ばかりを言っていますと、元データには使用されるかと思いますが、チャットGPTから『正論ですが、あまりに一般論です。このようなシチュエーションでは具体性が無く、率直に申し上げて役に立ちそうもありません。』などと揶揄され、挙句の果てには、関係者から“元ネタ王”と呼ばれてしまうかもしれません。
筆者など、元々のレベルが???なこともあり、チャットGPTに『あなたが不勉強なだけだと思います。』と言い切られ、『だからお前はダメなんだよ!』とAI様に叱責されるといったことになりそうです。『「ドマさんの徒然なるままに」だって? あまり馬鹿々々しくて、データとして未熟なので引用する気も起こりません。当AIとしましては、すべて却下として処理いたします。』などと一蹴されそうで、戦々恐々としております。「チコちゃんに叱られる!」から「AI様に叱られた!」に取って代わられる感じでしょうか。
チャットGTPに限らず、AI様の進化とともに、プライベートなコンサルテーションは言うに及ばず、セミナーの在り方も変化していくのかなー、なんて思います。セミナーでありきたりのことを言うと、「チャットGTPよりヒドイな、金返して欲しいわ!」なんてバズられそうで、内心ではびくびくしています。
査察での指摘事項や米国FDAのWarning Lettersの内容なんて、査察官や監査員の格好の教育訓練用のデータベースになるんじゃないかと思えます。『これ、どこかで見たことあるなー。あれっ? コレってうちじゃない? 先日のPMDAの査察で指摘されたやつだよ。最悪の事例として紹介されてるわ!?』なんて笑ってる場合じゃないと思いますよ。
また、最近ではe-LearningにVRを使っているものも出始めているようですが、メタバース製造所におけるアバターによる教育訓練なんてことも当たり前になってくるんでしょうね。
ただ、大事なことは、勉強であれ教育訓練であれ、如何にその技術を使いこなして実際の製品品質に盛り込むかだと思います。無菌操作のような、出来るだけヒトが介在しないほうがベターという機械化の話とは意味が違います。進化したAI様に、『お前のような人間は邪魔だからどいてろ! 俺が仕切る。』なんて言われ、AI様に乗っ取られるというSF映画のような話になってしまったらお終いです。その意味では、上手に、かつ賢く使いこなしたいものです。そういう意味において、まだ進化中のチャットGPTなどを、“チョットGMP”として活用したいものです。
『チャットGPTに打ち負かされましたので、この「ドマさんの徒然なるまま」を終了させていただきます。』なんて引退コメントしたくないようなー、と思いつつ、AI様に忖度してか、あるいはAI様の機嫌を損ねないように“おべっか”をして、これからは、チャットGPTを“先生”と呼ぶことにしようと思います。完全に打ちのめされるまでの間は、AI様の人工知能にはマネができそうもない、不備・不十分だらけであるものの、頑張ってもっと良くするんだといった“人間らしさ”を前面に出して、“Good Humanity Practices”を磨き、“煩悩知能”*6で生きていきたいと思います。少なくとも、GMDPエッセイストとして、AI様にもSNS様にも、その恩恵を被りたいとは思いますが、あやかりたいとは思いません*7。
なお、言っておきますが、本話、本文内の“チョットしたGMPの質疑応答”のトライアル事例を除いて、チャットGTPで作成していませんからね*8。念のため。
では、また。See you next time on the WEB.
【徒然後記】
フォークダンス
運動会、好きだった方、嫌いだった方、それぞれがいると思いますが、筆者、足が速かったこともあり、徒競走ではほぼ一番でリレーメンバーにも選ばれるということもあってか、運動会大好きの側でした。
さて、運動会の記憶と言えば、中学時代のフォークダンス。
「オクラホマミキサー(楽曲名称は、「藁の中の七面鳥」)」を筆頭に、「マイム・マイム」や「ジェンカ」、特に思い出深いのは「オクラホマミキサー」と言える。男女の列は背の高さに並ぶ。当時の筆者は低いほうのため前のほう。一方で、好きだった子は背が高く後ろのほう。並列に並んで曲が始まる。あと二人でその子に回る、期待が膨らむ。と、その瞬間に曲が終わる。な、な、なんと残酷なー! 心密かに好きな、あの子のちょっと手前で曲が終わってしまうなんて・・・。
先生「もう1回行きまーす!」
筆者「えっ、やったー!」
先生「もう一度最初に戻って!」
筆者「えーーーっ!?」
なんで元に戻すの? どうせ練習なんだから、ストップした状態からの再開でいいじゃないか!?
その後の授業の意欲は完全に失せる。今思えばなんともくだらない次元のことではあるが、当時の少年としては極めて大事なことであった。
中学時代の淡い、切ない想い出と言える。
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*1:以下のサイトから、新規登録すれば試用可能です。翻訳アプリにより日本語で対応可能です。
https://chat.openai.com/chat
ただ、最近になって、「イタリアが3月末で使用禁止」にしたとか、「イーロン・マスク氏がChatGPTのアップグレード停止を求めた」とか、そのAI機能の使用と開発についての議論が必要になって来たようです。読者の皆様にあっても、その利用はお気をつけください。
*2:(天の声)「意地悪のようですが」だって? マジに意地悪なだけじゃろ。
(筆者) あんたに言われたくないわ。
(天の声)なんだ、その構えは? 天罰を防ごうとでも思ってるんか?
ほほほっ! 私は心が広いのでそんなくだらない事に天罰などせんわ。
(筆者) くっそー!
*3:(天の声)お前は“ばか”さんだから何の問題も無い。
(筆者)うっせー!
*4:chatGPTで「GPTとLMDの違い」を質問してみました。以下が、その回答です。
『Generative Pre-trained Transformer(GPT)は、自然言語処理の分野で最先端の技術の1つであり、OpenAIによって開発されました。GPTは、大量のテキストデータを学習することにより、言語の統計モデルを構築し、そのモデルを使用してテキストを生成することができます。これにより、自然言語生成、文章の翻訳、質問応答などのタスクに利用されます。
一方、Language Model for Dialogue Applications(LMD)は、対話システムにおける自然言語処理のタスクに焦点を当てた技術です。LMDは、ユーザーの質問や応答などの入力に基づいて、システムが応答を生成するためのモデルを構築します。LMDは、質問応答システム、会話エージェント、チャットボットなどのアプリケーションで使用されます。
GPTとLMDの違いは、使用されるタスクとアプリケーションの種類にあります。GPTは、言語生成に焦点を当てたテキスト生成タスクに使用されます。一方、LMDは、対話システムに焦点を当てた応答生成タスクに使用されます。GPTは、一般的なテキスト生成に使用されますが、LMDは、対話応答やチャットボットなどの対話型アプリケーションに適しています。』
とのことでした。
*5:ちなみに、chatGPTに書かせたニュース記事そのものではないですが、「国会答弁をトライしてみた」というニュース記事がありました。記事によると、某総理大臣よりも事例を挙げた具体的で分かり易い内容だったとのことでした。うーん、コレッて・・・。
*6:(天の声)お前は、別に磨かんでも煩悩だけで生きておるじゃないか。
(筆者) 煩悩の、しかも下ネタ的煩悩の神様に言われたくないわ。
(天の声)神の煩悩による天罰!
(筆者) ギャーーー!
*7:国語辞典によると、「恩恵を被る」は、「人やものごとからのありがたい影響を受けたり貰ったりすること」の意味ですが、「恩恵にあやかる」は、「人やものごとからの影響を受けて、感化されたり同じような状態になること」を意味します。
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