QCの役割を徹底理解【第8回】

2005年の薬事法改正により、製造販売業と製造業が分離されました。

薬事法改正の概要と業界 ―国民に与える影響について―(製薬協HPより)
http://www.jpma.or.jp/event_media/forum/repo_05.html (参照2019-08-16)

●製造販売業と製造業への分離
 従来は「製造業許可」「製造承認」「品目追加許可」の3条の各要件を満たしていれば、製造した医薬品を世に出すことができました。(2005年)4月からは「製造業許可」が「製造販売業許可」と「製造業許可」に分かれることになり、前者の許可は本社で取り、後者の許可は工場ごとに取るとこになりました。そして、出荷と製造の機能が分離されることになります。
 「製造承認」と「品目追加許可」は「製造販売承認」に一本化され、品質、有効性、安全性、製造管理、品質管理などまとめることになりました。また外国製造業者の認定も今回の改正で盛り込まれ、国が認定することになりました。

 この改正はGMPに大きなインパクトを与えました。これまで、医薬品の承認取得にはGMP/品質保証はほとんど関与できず医薬品の承認取得と製造許可は別でした。ところが製造販売業と製造業の分離に伴い、製造販売承認書に製造場所/保管場所/外部試験機関を記載することになり、また詳細な製造方法も記載することになりました。原薬の承認制度もなくなり、製剤の承認書に原薬についても記載することになりました。原薬の製法が特許などにかかわっている場合はMF制度では詳細な製造方法を製造販売会社に提供しなくてもよくなりました。
 大きなインパクトは二つです。
1)製造販売承認書との齟齬が生じるようになった。それによる製品回収が起き
  ている。
2)新製品が承認される前に、その製品を製造する製造所にGMP適合性調査が入
  り、それに適合しないと承認されない(承認が遅れる)。また、その時に
  GMP不備等が見つかると、その製造所で製造している他の製品にまでその不
  備が広がっていると、その製品の回収、原薬であればその原薬を使った製品
  の回収が起きている。

今回は2)について実際の例などを紹介します。

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