校正業務の豆知識【第8回】

2014/02/17 施設・設備・エンジニアリング

 今回は、校正作業の記録である校正成績書の作成について考えてみたいと思います。本記事の【第4回】では「校正成績書の作成要領」について記述しましたが、その書式には社内書式と業者書式(含む、公的機関の書式)の2種類に大別することが出来ます。校正成績書に必要な記載事項及び業者から受領した書類(校正成績書・トレーサビリティ書類など)の確認方法と社内書式に準用させる方法などについて概要を説明します。
 
1.校正成績書の必要記載事項
 校正成績書には、どのような事項を記載する必要があるのでしょうか。考えられる項目と記載方法の概要を以下に挙げてみました。
 
a.設備名と用途,グループ名と工程,目的,総合判定及び承認者
 

 注1:校正の目的は、以下の内容で区分すると管理がし易いと思われます。
    稼働前校正:計測機器の新規登録又は更新時行う校正を指します。
    定期校正 :定められた校正周期で定期的に行う校正を指します。
    不定期校正:計測機器の故障又は調整等を実施した時に行う校正を指します。
    バリデーション前後校正:バリデーション実施前或いは実施後に行う校正を指します。
    撤去前校正:設備の撤去又は長期休止などが発生した場合、それまでの生産を保証するために行う校正を指します。

b.校正する計測機器の基本データ
 

 注2:この項目は「計測機器登録リスト」(第5回で紹介)との整合性が必須となります。
 注3:計測機器が圧力指示計のように単体の場合は、その計測機器のみの基 本データを記載しますが、ループを構成(例:測温抵抗体・温度指示計・記録計など)する場合は、構成する計測機器毎の基本データを記載します。又、記録計の名称欄には接続されているチャンネル番号(例:Ch-1)を記載すると管理がし易いと思われます。
 
c.校正する計測機器の外観検査等
 

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執筆者について

鈴木 利一

経歴 バリデーション、キャリブレーション、設備保全シニア エンジニア。
1964年、武田薬品工業(株)入社。医薬品生産施設の設計、工事監理業務及びGMPに係わるバリデーション、校正業務に従事。2006年に退社し、(株)大気社にて製造会社向け、製剤製造設備、空調設備に係わるバリデーション業務を担当、2010年退社。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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