製薬事業所のペストコントロール【第11回】

 

◆ 管理プログラムの開発(構築と改善) その4


 前回につづき、ペストコントロールプログラムを構築し、継続的に改善していくための進め方、その手順について、事例を通じて解説する。

手順10 監視/基準逸脱時の処置の設定

 昆虫類そのものが監視(モニタリング)対象であるペストコントロールプログラムのケースでは、昆虫類が基準を超えて捕獲された後の処置、即ち、“結果に対する処置”を設定することになるため、どうしても“予防(Preventive Action)”ではなく“是正(Corrective Action)”の側面が濃くなってしまう。予防管理を構築するためには、逸脱結果に対する後追い処置だけではなく、“逸脱の原因”となり得るパラメータを監視しなければ成立しない。
 “逸脱の原因”となるパラメータをどのように設定するのか、については、本連載第8回以降、特に第9回の“手順6 リスクアセスメント”と“手順7 管理手段の選択”を踏まえ、パラメータを設定すればよいだろう。即ち、ペストコントロールに関係するリスク要因、例えば、施設・設備要件(遮蔽性、差圧、照明設備など)、施設・設備の保守点検計画や、清掃・洗浄プログラムのパラメータ(内容と頻度など)を、ペストコントロールプログラムの予防要件として監視の対象にすることが望まれる。そして基準逸脱時の処置、例えば、室圧基準逸脱時の処置、保守点検時に検出された異常に対する処置、清掃不良時の処置などを予め定めることによって予防管理が実現する。GMPにおけるCAPAシステムも念頭に置き、整備していくことが望まれる。

 

 

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