知的財産の基本から知財ミックスまで【第24回】

2024/06/21 その他

商標について説明をする。

 

商標の概要

 

こんにちは、弁理士法人ブランシェ国際知的財産事務所の弁理士 鈴木徳子です。
今回から商標について説明します。

商標とは、自社の取り扱う商品又はサービスを他社のものと区別するために使用するマークのことをいいます。
特許や意匠と同様に、特許庁に出願手続きを行い、審査を受けて登録されることにより初めて権利(商標権)が発生します。商標権は強力な独占排他権です。

商標は、知的財産の中でも一番身近なもととして捉えている方が多いと思いますが、ビジネス上は侮ることができない権利です。
特に創業したての企業は、売り上げを上げることが最優先で、社名や商品・サービスのブランド名の保護に注意を払う余裕がないことが多いです。
しかし、事業が軌道に乗ってきて、ようやく自社ブランドが浸透してきたころに、そのブランド名と似通ったネーミングの商標権を所有している他社から、商標権侵害行為に当たるという理由でブランド名の差止請求や損害賠償請求を受ける可能性もあります。その結果、社名やブランド名を変更せざるを得ない状況になることがあります。ビジネスの継続に支障をきたすという意味で、商標は怖い側面があります。

ところで、商標法(第78条)は、「商標権を侵害した者は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています。非常に重い罰則です。
単なるマークの商標を勝手に使っただけで、この罰則は重過ぎる、と思う人もいるかもしれません。しかし、マークをブランドとして消費者に認識してもらうまでには、長い年月と絶え間ない企業努力を重ねて信頼と信用を築き上げ、莫大な広告宣伝費もかけているはずです。

商標権侵害は、商標権者である企業が長年に亘って築き上げてきたブランド価値を傷つけ、業務上の信頼を害することになりますので、罰則も重いものになります。
商標法が、「商標の上に化体した業務上の信用」を保護するものだと言われるゆえんです。

商標は、長く使用すればするほど価値を増していきます。そのため、権利期間が定められている特許や意匠と異なり、商標は存続期間を何度でも更新することができ、半永久的に権利を存続させることが可能です。
 

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執筆者について

鈴木 徳子

経歴

ブランシェ国際知的財産事務所 共同代表弁理士。
代々医師の家系に生まれ医学書に囲まれた生活を送ったが、医師にはならずに文系の道を進み知的財産の専門家になった。一橋大学経済学部卒業。現ウォルト・ディズニー・ジャパンでキャラクターのブランディングを担当し、商品化権(著作権や商標権など)に基づくライセンスビジネスに携わる。ディズニー時代に初めて、「知的財産権」という言葉に出合い、その重要性を実感し弁理士になる。その後、外国知的財産サービス会社で大手日本企業(医薬品、化粧品、素材系メーカーなど)の全世界120か国における商標権取得、企業合併に伴う権利移転手続や侵害対応などに携わる。2015年3月事務所開設。大学や各種セミナーで講師も務める。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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