【第5回】Pharma4.0と製造現場のデジタル化施策 エンジニアリングコラボレーション

2024/04/19 製造システム

Pharma4.0 スマートファクトリーへの挑戦 Challenge to the Pharma4.0

エンジニアリングコラボレーションのためのご提案

本コラムでは、Pharma4.0スマートファクトリーに向けた医薬品製造業の課題に対する当社の各種取り組みをご紹介します。大きな基盤づくりの方法論から、各種課題解決ツールまで、幅広くご紹介しますのでご期待ください。

第5回目は、「エンジニアリングコラボレーションのためのご提案」と題し、変更管理の課題、整合性確保のための課題解決策をご紹介します。

1.垂直統合のための変更管理の課題
前回は、多様な技術領域の専門家とともに計画レベルから現場の装置レベルまで情報の垂直統合を行う際に必要な、異分野コミュニケーションの秘訣をご紹介いたしました。
今回は、変更が生じた際、いかに齟齬のない意思疎通を図るか、に焦点を当ててみたいと思います。

垂直統合を行う上では、複数の設備担当会社とSCADAシステムのデータ収集タグの整合性が要(かなめ)になります。
設計段階から、実装、テストにおいて、通信パラメータ項目の変更が発生します。その発生都度、整合性が取れた変更・共有を行うことが品質確保のための重要な活動になります。

皆さんはどのように整合性を確保していますか?
当社実績では、設備担当各社から共有される変更情報の受付窓口を設定し、その窓口からの通知をうけ、ITエンジニアが変更評価し、関連文書の修正と関係各社へのテスト日程の調整を含む諸連絡を行ってきました。しかし、多くの関係者を巻き込んだ活動においては、様々な問題が生じます。
● 旧バージョンを更新してしまった
● 変更を通知したつもりでいたが、宛先漏れがあり伝わっていなかった
● どこまでプロセスが回っているのか進捗がわからない
等です。
これらの問題を解決するため、コミュニケーションワークとドキュメントワークの手順化を進めますが、手順も定着してくると、ITエンジニアの業務が「コピー&ペースト・差分チェック・宛先チェック・更新漏れチェック」となり、面白味のない仕事に時間を取られています。
この課題を解決するため、複数社を跨る設計整合性のための解決策をご紹介します。

 

 

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執筆者について

宮澤 由美子

経歴

ビジネスエンジニアリング株式会社
取締役 ソリューション事業本部 副事業本部長
1992年東洋エンジニアリング入社、ERPパッケージSAPコンサルタント・プロジェクトマネージャーとして医薬品製造業のサプライチェーン、生産管理、品質管理、原価計算、財務会計、管理会計の企画・導入・運用保守を担当、その後、医薬品製造棟建設案件では、ITプロジェクトマネージャーとして、MES・SCADA・マテハンシステムの導入を経験し、グローバル標準をもとにしたITソリューションの垂直統合をご支援しました。お客様、パートナー、ライセンサー、社員との対話を重ね、B-EN-Gのライフサイエンス産業への取り組みをリードしています。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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