校正業務の豆知識【第3回】

2013/09/24 施設・設備・エンジニアリング

 前回までに「法令と用語の説明」・「なぜ、校正が必要なのか」について記述しましたが、今回は校正業務を遂行するために必要な書類について医薬品製造工場を例に2回に分けて考えてみたいと思います。
 
1.法令と校正業務の関連
 医薬品製造工場の場合、薬事法と計量法の制約を受けることは第1回で説明をしましたが、法令と校正業務との関連及び業務に必要な運営書類は図-1になると考えられます。
 
図-1
 
 まず、国家レベルでは、薬事法の基に厚生労働省令であるGMP・GLPのほか、計量法があります。
 工場レベルでは、製造管理・品質管理に使用する計測機器は、薬事法の制約を受け、取引・証明・環境・防災に係る計測機器は、計量法の制約を受けることになります。
 
[校正業務のソフト・ハード面の管理]
 これらの計測機器の管理を適切に行うための校正業務に各種運営書類が必要となりますが、「計測機器管理運営要領」・「校正作業担当者の教育訓練要領」・「校正業者の管理要領」を定めて業務のソフト面の管理を行い、「校正作業標準書の作成要領」に基づいて作成された「校正作業標準書」によりハード面の管理が必要と思われます。
 又、校正作業の実施段階では「校正作業の手順に関する要領」や「校正成績書の作成要領」などを定めてソフト・ハード面での管理が必要であると考えます。

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執筆者について

鈴木 利一

経歴 バリデーション、キャリブレーション、設備保全シニア エンジニア。
1964年、武田薬品工業(株)入社。医薬品生産施設の設計、工事監理業務及びGMPに係わるバリデーション、校正業務に従事。2006年に退社し、(株)大気社にて製造会社向け、製剤製造設備、空調設備に係わるバリデーション業務を担当、2010年退社。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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