現場の問題解決に役立つQC的考え方【シリーズ-4】

2016/08/10 製剤

製剤開発

現場の問題解決に役立つQC的考え方

シリーズ-4「問題発見能力を高める」
 問題解決力を高めることは重要ですが、問題を発見できなければ、問題を解決することはできません。また、お客様からのクレームや上司から与えられた問題でも、問題の本質を発見できなければ問題を解決することはできません。
 問題とは、あるべき姿と現状の差であることはシリーズ-2で述べました。問題発見能力を高めるということは、ズバリ「あるべき姿を発見する能力」と言えます。 シリーズ-4では、いろいろな視点から問題発見のヒントを洗い出したいと思います。
 

1.先ずは、問題を発見する前に問題が起きないようにする
 問題が発生する前に問題が起きないようにするためには「目で見る管理」が必要です。目で見る管理とは、「管理する対象物が自ら異常と判断し、異常への処置行動を的確に人間に行わせる一連のしくみ」です。生産現場に限らず「異常の早期発見」が重要であることは言うまでもありません。しかし、いつも「異常はないか?どこが異常だ?」と意識を集中していることは難しいことです。そこで、交差点に設置されている信号機を考えてみましょう。信号機は「青は進め、黄色は注意、赤は止まれ」ですが、生産現場や事務職場の信号を「青は正常、黄色は注意、赤は異常」と言うように、信号で知らせてくれたり、音声で教えてくれるようになれば、トラブルが発生する前に異常を的確に処置したり、再発防止や未然防止につなげることができます。これを「予防的管理」といい、「目で見る管理」があってこそ実現できる管理方法です。
 目で見る管理のポイントは、
  ①あいまいさがない正常な状態に職場を整備すること
  ②異常が見える、わかる、そして働きかける仕組みをつくること
  ③異常への処置が確実に行える能力を身につけること
 そして、目で見る管理のポイントを実行することが、問題発見能力を高める第1の秘訣なのです(図表-1)。



図表-1 目で見る管理事例

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執筆者について

町田 勝利

経歴 神奈川品質経営研究所 所長。
小西六写真工業(株)(現:コニカミノルタ(株))にて、研究開発、製造に従事後、TPM推進室長、QM推進室長を務める。また在職中にQCサークル神奈川地区幹事長、副世話人、審査委員長を歴任。
同社(コニカミノルタビジネスエキスパート(株))定年退職後、現職。
人材育成、設備管理、品質管理、安全管理などの指導を専門とし、各種学協会主催の『TPM全般』、『QCサークル』をテーマとした研修において、講師を数多く担当している。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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