サプライヤーオーディットのポイント【第2回(最終回)】
はじめに
最終製品の品質については製販業者が全責任を持つことが定められているので、製造を受託する立場としては製販業者の品質ポリシーに従うのが筋であり、異論をはさむ余地はない。しかしオーディットの現場に立つと様々な問題点が浮かび上がり、その対応に苦慮することもたびたびである。一番のポイントはオーディット担当者の意見なり、指摘をすべて無批判に受け入れてしまうことである。以下オーディットを受ける側の視点に立ったポイントについて述べてみたい。
(1)複数の製販業者からの指摘
この場合の問題点は、オーディットを実施する製販業者の数が増えれば増えただけの品質ポリシーがあり、結果としてそれぞれ異なった視点からの指摘を受けることになる。時には細かすぎる指摘と感ずることはあるものの、それなりに根拠があり受託製造所としては製販業者の指摘として受け入れざるを得ない立場である。しかしながら、製造所としては複数のスタンダードを持つことは厳に避けるべきであるので、指摘の横展開、すなわち全製品に対して対応する必要がある。従ってそれぞれの指摘を無批判に受け入れていれば、結果としてオーバースペックだらけの製造所となってしまう恐れが十分考えられる。製造所としても製造コストや効率性は重要なポイントであるので、このことを無視するわけにはいかない。
このような場合の対応はなかなか困難であり、うまく解決する方法はないが、方法の一つとしては、工場の品質ポリシーを確立しておき、それを示してオーディット担当者と協議することが考えてられる。これは当たり前のようであるが、そうは簡単に事が運ぶとは考えにくい。また協議の時間もそれなりに予定しなければならず、限られた時間の中では相互の理解が必要不可欠である。
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