医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第46回】
国際化に対応する医薬品会社に必要なHSEとは?
「日本国内製薬企業に必要なGMP/HSEのサプライチェーンAudit」
1、 製薬企業のあるべき姿
製薬企業の国際化多様化が進む中、国際社会は日本国内企業の多様性対応が大変な遅れを取っていることをよく知っています。又、日本の製薬企業工場でも国際化多様化が求められていることは周知の事実です。当面の課題は遅れを取り戻すことですね。そんな中、国内医薬品工場の近未来は外国人従業員を積極的に採用した外国人が評価され、又は技術を認められ主任、課長、部長、取締役に昇進し、会社の業績を伸ばしている姿を想像出来る時代になりました。同様にこの変革の中には女性従業員の活躍や障害者の貢献などが医薬品工場に取って欠くことの出来ない人財として医薬品工場の中心人物として機能していることでしょう。GMPもHSEも欧米の先進国やその行政対応の変化について行くと言うよりもその先を走っている姿が理想である事は言うまでもありません。しかし、残念乍ら、日本の世界における位置付けは益々低迷する事になり、日本人である事が恥ずかしい国際社会に変化してゆくことが見えてきました。日本の多くの製薬企業が使用している国内規定は世界に通用しないばかりか、国際社会の信頼すら薄れてしまう危機に既に直面していると考えざるを得ません。筆者は早急に企業内規定類をグローバルスタンダード化して国際化多様化に対応させなければならない時期であると声を大にして訴え続けてきています。勘違いして他国よりも厳しい基準を振りかざしていれば良かった時代は10年以上前に終わっています。単に厳しい基準が重要なのではなく、何の為の基準なのかを考えれば解る事です。GMPは病気で苦しんでいる患者様を救うことが最重要課題であれば死亡率の高い病気や難病で苦しんでいる人々を救えるGMPでなければ社会においては何の役にも立たないことを医薬品企業として重く受け止めなければなりません。ビジネスとして売り上げのみ追求するのであればそして、医薬品会社としての社会的責任を果たせないのであれば医薬品製造から他のビジネスに変更して頂くよう定款を変更されるべきです。同様に医薬品工場で働く従業員の方々は原薬の曝露リスクによる健康被害リスクを多かれ少なかれ伴った日常業務を行っています。グローバルスタンダードを構築しHSEで自ら原薬の曝露リスク定性評価・定量評価を行い、健康被害リスクを顕在化し定量評価結果をグラフ化し、掲示する事によって開示されたリスクを物理科学的根拠をもってPPE(Personnel Protective Equipment)やRPE(Respiratory Protective Equipment)を選定し使用せねばなりません。言われたことを言われたようにやっているだけでは国際化多様化時代に逆行していることになります。この状況になるまでに約30年ほどの期間を要して日本のいくつかの医薬品工場は大きな課題を抱えてしまったようです。あるべき姿を以下に列記しておきます。
- GMP&HSEのサプライチェーンAuditやSelf Auditを定期的に実施し、そのObservations やFindingsのリスク低減対策が定期的に行われている
- 国際化多様化に向けてGMP&HSEのグローバルスタンダード構築を進めている
- 少なくとも、5S活動や定期的教育、資格取得活動が社内基準で順調に進められている
上記組織構成にすることもグローバルスタンダードに明記して、既存の組織も柔軟に入れ替えて働く人々の事を第一優先にビジネスを変革する事が今後10年、50年、100年と長く企業のビジネスを継続する事になる物と考えます。又、世界に受け入れられる事と考えます。
2、 国内製薬企業の現状
しかし、国際化多様化を考えた現状の国内製薬企業のGMPやHSEの定期全社教育、専門技術者育成教育、5Sと社内Self Audit&サプライチェーンAudit、安全リスクアセスメント、健康関連リスクアセスメント(曝露管理教育、PC作業姿勢、重量物運搬作業姿勢)とリスク低減対策教育などの人財育成教育投資について多くの国内製薬企業は5Sすら十数年年以上前にやったきりか全く全社活動として実施しておられない現状のようです。筆者は5SもやらずにGMPやHSEの仕事をやらせることの無神経さにショックを隠せません。その実情を以下に列記しておきます。
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